自転車

日曜は、また娘が自転車でできるだけ遠くに行きたいと言うので、つき合うことにした。
とは言っても、11時くらいに出発したので、大して時間もない。空堀川沿いを西へ走り、多摩湖にのびる自転車道に入る。この道はなかなか快適かつ安全で、多摩湖を半周回っている。前回は多摩湖の入り口の都立狭山自然公園まで行ったので、今回は青梅街道に入り、どこまで西に行けるか、羽村くらいまで行けるかなと思っていたが、やはりそう簡単ではなく、いつもは車で行く、野山北六道公園までで止めておく。狭山湖の南西にある広大な里山だ。麓に市営の「かたくりの湯」があり、年に何度か訪れ、むかご採りなどしてきた。季節には野いちごもたくさんなる。
自転車を降り、山の上の休憩所でお湯を沸かしてカップラーメンを食べ、「ここで遊んで行くか、もっと自転車に乗るか?」ときくと、もっと自転車に乗りたいと。私の自転車はいわゆるママチャリで、3段変速になってはいるが、上り坂は結構辛い。18段変速の娘に追い抜かれてしまう。
森で山栗を拾って、北にあがって、多摩湖をぐるりと回って帰った。

高校時代に二度、夜の8時か9時くらいに出発して、自転車で青梅街道を奥多摩湖まで行ったことを思いだした。ちょうど奥多摩湖に着いたあたりで夜が開けたのだった。夜中に自販機で買ったウイスキーの小瓶を持っていき(最近はあまり見かけないが、当時はサントリー・レッドの自販機などがあった)、それを飲んで仮眠し、さらに奥多摩有料道路を帰るという計画だったが、ヘトヘトになって奥多摩湖に着くと、「もう少し山に入って、景色のいいところで仮眠しよう」と言い出した連れがいて、山道に入ったが、これが失敗で、道から滑り落ちたりして、仮眠どころの騒ぎではなかった。今同じことをしたら、おそらく鳩の巣あたりで頓死してしまうにちがいない。

「かたくりの湯」の近くに、ポニーやウサギなどを飼っている「牧場」があった。牧場といっても直径50メートルくらいの庭にポニーの親子を4、5頭飼っている程度だったが、馬を間近に見たり触ったりする機会はあまりないので、子どもには好評だった。家族経営で、子どもをポニーに乗せて写真を撮ったり、餌を売ったりして稼いでいた。これが奇麗さっぱり無くなり、ドッグランなるものに変わっていて、なんとも残念だった。ポニーはどこに行ったのだろうか。