上野の科学博物館で、「花」という企画展示をやっているが、ナミブ砂漠固有のへんてこりんな植物、キソウテンガイが来ているというので、大いに期待して行った。キソウテンガイは薄い長い葉っぱがにょろにょろと伸び続けてからみあっている、おかしな植物で、砂漠に1000年以上も生き続けている株があるという。以前砂漠のドキュメント番組で知って以来、関心があったのだが、行ってみてちょっとがっかりだった。「おお、あるある」と思って近づいてみたら、模型で、実物は小さなは鉢に植えられた若い株で、未だ奇想天外さを獲得しえていない未熟なキソウテンガイだったのだ。もうひとつの目当て、世界最大の花ラフレシアを樹脂で固めた標本も、例の怪しい色彩が失われ、褪せてしなびたかんじで、これも期待外れだった。確か腐臭を放ちながら、数日で朽ちてしまうので、きれいな標本をつくることはむずかしいのだろうが。
世界最大の花はラフレシアではなくて、スマトラオオコンニャクというコンニャクの仲間の植物の花だという説もあるようで、その花の模型もあった。馬鹿みたいにでかい。かつてヨーロッパから船で太平洋の島々に到達し、初めて密林に分け入った人たちはこうした植物を次々に知って度肝を抜かれたことだろう。
その後、谷中を散歩して帰った。娘はかなり年季の入った駄菓子屋で、おきまりのひもの先に三角の飴がついているやつを買った。谷中銀座は遠くから散歩に来る人が増えていると見え、大にぎわいだ。イラン人がやっていると見える、ペルシャ総菜の店や、ペルシャ料理店など、ペルシャ度が高いように感じられたが。