西沢渓谷

久しぶりにいい天気だったので、娘と山梨県の西沢渓谷に歩きに行く。嫁は久しぶりの人形展の準備なのだ。
西沢渓谷は20年近く前に一度訪れたきりだ。帰り道に猿の群れが現れたのを思い出す。
中央本線の塩山もしくは山梨市駅からバスで1時間で入り口に着くのだが、便利なもので、今は武蔵野線から直通で行ける臨時列車が出ている。
快速さくらんぼ号とかいう名前なので、おそらく、さくらんぼ狩りなどを目的に山梨に出かける人向けなのだろう。
窓から外を眺めていると、いくつかのポイントで列車に向けてカメラを構える人たちがたくさんいるではないか。
そういえば、今はあまり見かけない、70年代初め頃に、L特急という言葉が出来た当時に登場した特急用の車両なのだ。この前は確かボンネット型だったような記憶があり、当時列車に乗ってあちこち行くのが好きだった私は、なんだか味気ないデザインの車両だよな、と、思っていたのだ。それが今ではおそらく絶滅危惧種なのだろう。
私は日帰りの鉄道の旅は好きだったが、鉄道そのものを好きになることはなかったので、これが何系とよばれるのかなど全くわからないのだが。中のトイレや洗面台など見ると、やはり70年代な感じがある。


西沢渓谷の滝は地形もダイナミックで迫力満点なのだ。水も深いエメラルドグリーンをしている。ちょっと遠いが訪れる価値十分だ。初夏や紅葉の季節はかなり混むので、一方通行になるのだが、梅雨の合間ということで、人もまばらだった。





途中湯を沸かしてカップヌードルを食べる。カップヌードルは外で食べると意外に旨い。小食な娘もこれはよく食べる。

山は見事な花崗岩がゴロゴロしているのだが、この中にキラキラと光る微細な鉄が入っているのを認めた娘は、「金じゃない?!」と騒ぐ。どうも数日前に荒川で砂金が採れるというテレビ番組を見たらしい....。
「それは金じゃなくて、黄鉄鋼っていう、鉄なんだよ。そういうのをFool's Goldって言うんだぜ」
「何それ?」
「アホの金っていうことだよ」
「何ぃー!」
などと言いつつ、もしかしたらやっぱり金かもという気分を捨てきれないようで、拾ってはじっと見ている。
この光り物への執着、いったい誰に似たのか。