チュニジア旅行3

チュニス近郊のカルタゴ遺跡、ローマの遺跡を巡る。
Tophetは幼児の墓碑が集まる場所で、ギリシアの歴史家ディオドロスがカルタゴでは幼児を火に投げ込む生贄を行っていたという記述を裏付けるものとされてきたが、埋葬されているのが生贄に捧げられた子どもだという証拠はなく、幼くして亡くなった子どもだけを葬る場所だった可能性もあるという。墓碑に彫られた人型のシンボルはタニトTanitというフェニキアの月と冥界の女神にしてカルタゴの守護神だ。

その後、カルタゴを制したローマによって2世紀に作られたアントニウスの大規模な公共浴場跡を見学。かつては高さ30メートルもあるドームがそびえていたという。崩れ落ちた大理石の梁の量感がローマの圧倒的な政治力を物語っている。
 

カルタゴの中心だったビュルサの丘にある博物館には、カルタゴを徹底的に破壊したローマの投石機で放たれた石の球が転がっていた。

チュニスから南下して海沿いの古都スースのグランド・モスクと8世紀に建造されたリバトを見る。このへんの旅程は駆け足だった。カメレオンとハヤブサを持った子供が駆け寄ってきて、写真を撮れと。一緒に写真を撮って1ディナール=約90円。無造作に娘の頭にカメレオンを置き、腕にハヤブサをくっつける。この後、行く先々で、狐やらサソリやら蛇やらサラマンダーやらを携えた子どもが「写真」と言っては娘にくっつけたり首に巻いたりすることになる。
  
  
  

この後、ローマの円形劇場の残るエル・ジェム遺跡に。ローマの遺跡はでかいなー、と感心はするのだが、どうもある程度以上関心を持てないのは何故だろう。

翌日、ローマ、ビザンチンの都市跡、スベイトラを見て、ローマ関連の遺跡は終了。
 
 

チュニスを出た翌日は中部の町ケロアンに宿泊する。町全体が世界遺産の登録されている古都だ。聖者アブ・ザマエル・ベラウィを祀ったシディ・サハブ霊廟のタイルとアラベスクが美しい。


大モスクの柱廊はローマ・ビザンチン時代の柱を流用したものだ。

 

町の絨毯屋でラクダの毛で編んだ薄手のキリムを購入。ガゼルの模様が編み込まれている。絨毯はどれも模様も色もすばらしいがなかなか手が出ないし(トルコに比べると安いような気もしたが)、薄いもの1枚くらいが持って帰れる限度なのだ。
 

ケロアンのメディナはこぢんまりしているが、とても雰囲気がある。
この後、さらに南下して砂漠地域に向かう。