チュニジア旅行-7

クサール・ギレンを起ち、マトマタに。この地域にはベルベル人の穴居住宅が数多くある。地面に大きな穴を掘り、さらに横穴を掘って部屋としている独特な住居だ。
家があることが遠目にわかりにくいようになっている。
洞窟状に掘り抜いた部屋は驚くほど涼しい。パンを焼いていただき、オリーブ油にハチミツを混ぜたものを付けて食べた。パンケーキそのものだ。
中庭の真ん中にあるカゴ状のものは、猫ちぐらみたいなものだろうか。子猫が出たり入ったりしていた。
入り口にはファティマの手と魚のシンボルが描かれている。
 
 
 

さらに、メドウィン、タタウィン周辺の集合住宅・穀物倉庫であるクサールをいくつか見てあるく。防壁で囲まれた砦状のスペースの外周沿いに作られたとてもユニークな様式の建造物だ。小さな入り口が並んだ、「巣」といえるような雰囲気の建物だが、建物の中は意外に広い。今はほとんどが土産物屋、あるいはホテルになっていたりする。うちひとつのクサール・ハッダダは、やはりスターウォーズのロケに使われた場所らしい。
 
 
 
 
 
 

その後、山の上にベルベル人の集落(住む人はほとんどいないが)があるシェニニに。戸口に老婆が座り、「入って、入って。1ディナール」と言う。額とあごに刺青が入れてある。大変な貫禄のばあさんだった。
町の麓では「ガイドはいらないか」と盛んに勧誘してくる。「いくらなの?」と聞くと、30ディナールと。「そんな無茶な」と言うと、「じゃあ、20、いや、15」「結構です」「じゃあ、......おまえはいくらならいいっていうんだよ?」という調子で、なんだか疲れてしまったので、ガイド無しで歩くことにしたが、町は砦状になっていて、どうやったら上に上がれるのか、なかなかわかりにくい。最上部に通じる道がわからずうろうろしていると、こっちだよ、と、高校生くらいの男の子が案内するよというので、頼むことにした。町の背面はほとんど絶壁で、崩れかけているので、立ち入り禁止になっていたようだが、彼は「大丈夫、大丈夫」と。極度の高所恐怖症の私にとってはちっとも大丈夫じゃないんだが。
部屋の中の壁には様々なシンボル、模様があしらってあり、これがなかなか面白かった。小さな手形や足形もある。子どものものだろうか。狭い部屋いっぱいに、ラクダに牽かせる挽き臼がある。ばかでかい石臼の石を引き上げるのも大変だったに違いない。
 
 
 
 

さらにショット・エリ・ジェリドとは別の塩湖の脇を通過して、ジェルバ島に向かう。この塩湖には水が多く、塩もたくさん浮いている。運転手君が空のペットボトルに塩を詰めて、娘に「これを記念に持って帰りなよ」と。娘は今、風呂でその塩をバスソルトとして使っていて、さらに体に擦り込んでいる.....。塩分の多い水で傷がはやく治るときいたらしく、わざわざ足のすり傷に塩を擦り込み、しみるしみる、と。当たり前なのだ。「傷口に塩」そのまんまじゃないか。