確定申告

またまた憂鬱な季節がやってきた。毎年この時期になると、あぁ、なんで領収書がこんなにグチャグチャなんだろう...。なんでずっと伝票を書かなかったんだろう。もう少し順番通りに袋にでも入れておけばよかったのに、と反省するのだが、反省が活かされた試しがない。
が、私には締め切りの前日とか当日に駆け込み申告的なことをする度胸もない。嫁が申告していたときは大騒ぎで締め切り前に二晩くらい徹夜し、ギリギリ間に合った!という感じだったが、こういうことができないのだ。大学の卒論も、特にやる気があったわけでもないが、締め切りの1週間前くらいには出したように思う。なんだか中途半端というか、損な性分という気がしてならない。卒論提出の当日の締め切り時間の直前に卒論の製本を終え、エンジンをかけて待機している友達のバイクの後ろに飛び乗ってギリギリクリアした女友達がいて、天晴れな度胸だなと思ったのだが、私の場合、そんなにギリギリになる自分を想像するだけでいやになってしまい、今すぐやった方がまし、と思ってしまう。
それで、完璧だったらいいのだが、そうでもないから情けない。
昨年も締め切りの1週間以上前に出して、フン!と税務署の建物に言いつつ晴れ晴れと帰ったのだが、提出すべき用紙が一枚、持って帰った控え書類の間に挟まっていて、3ヶ月もしてから、「書類が揃っていなかったから、あなたに追徴課税します」と、電話がかかってきた。
ちゃんと税務署で税理士の前でハンコをついてもらったのに...。
受け付けた若い税理士が初心者で、こちらから、「あのー、控え書類に判を押して返してくださいよ」と指摘し、「あっ、そうでしたそうでした」みたいな怪しい感じだったのだ。もしかしたら、この人が控えと一緒に提出書類も一枚余計に返してきたんじゃないかと疑っている。
無駄を承知で、電話口で「ちゃんと税務署で税理士にチェックしてもらったんですよ。きちんと書いて、持って行ったのに。窓口の税理士の間違いじゃないの。そもそも、足りないなら足りないと、言ってくれればすぐに持っていくのに。ここから自転車で3分もかからないんだから、電話くらいしてくれればいいじゃんか。あんた、ちょっとでも多く取ろうとしてるだろ。あんたの仕事は正しい納税を促すことなのか、それとも人のあらを探して金を取ることなのか?」的なことを抗弁するも、規則は規則ですからと、虚しいやり取りなのだった。
払うべき税金は払うが、どうも天下り役人の退職金やら、バカ議員どもの給料になるかと思うとうんざりする。最近、マスゾエ総理とかいうとんでもない言葉がニュースに登場するようになっているが、そんなことになったら断固として納税を拒否してやるぞ! と、言いながら、シコシコ伝票を日付順に並べるこのせせこましさ。
今回困ったことに領収書の束が2ヶ月分ほどしばらく行方不明だった。サハラ砂漠に行く前に、どこかに「きちんと」入れたのだ。が、どこに入れたかがわからなかった。
以前にも夏に長い旅行に出るときなど、ちょっと不用心だなと、気まぐれで、通帳とカードと判子を「意外な」ところにしまったことがあるが、帰ってきたらその「意外な」ところがどこだったか忘れていて大変な思いをしたことがある。見つかってみたら、なんで俺はこんな「意外なところ」に...と、腹が立った。
リスが集めた木の実を冬になったら食べようとせっせと埋めて隠して、すっかり忘れてしまうという話があるが、ほとんどそんな感じだ。情けなし。