娘の誕生日に学研の「大人の科学マガジン」を買う。学研の「●●年の科学」は我々の小学生時代も大人気の雑誌だった。ちなみに「子供の科学」は誠文堂新光社なのだ。
大人の科学」は、江戸時代のからくり人形や、我々が子供の頃は高価でなかなか手が出なかった「電子ブロック」などの、凝った工作キットが話題になったが、本格的なものが作れて値段の高い製品版と、1680円ほどの「マガジン」とがある。
娘の誕生日に買ったのは、マガジン版第二号の「探偵スパイセット」だ。指紋採取薬、血液判定薬、繊維検出薬、水に溶ける紙、ブラックライトを当てると文字が浮き出るペンとライトのセットなどが入っている。この値段にしては盛りだくさんな附録だ。刑事ものが好きな娘のためにあるような企画だなと、バックナンバーを置いている店を探したが、そう、これは「スパイ・探偵」というより、「警察」寄りなのだ。でも、やはり子供(かつても今も)向けには「スパイ」と言いたい感じがあるに違いない。発想はちょうど私が娘の時分に大流行した「サンスター・スパイ手帳」を土台にしているし(指紋検出とか血痕検出とかは無かったように思うが)、「警察セット」じゃあ、なんだか感じ悪い。
大人の科学」は、ちょうど我々の世代が子供だった頃好んだものを吸い上げるようにして企画を立てているのだが、附録はなかなか本格的だ。定番の鉱石ラジオ、反射望遠鏡や録音が出来る蓄音機などがある。
映画にもなった初の電子楽器「テルミン」のキットを買おうかと迷ったが、これは「音楽」といえるものを奏でるにはそれなりに熟練が必要な感じで、こらえ性の無い娘には不向きかと判断した。
「血液判定薬」というので、てっきり血液型を調べる薬で、「ちょっと血をください」とか言いかねないと危惧していたが、血痕を検出するためのものだった。
娘が「DNA鑑定はできないの?」とか言うところに時代の違いを感じさせられる。そんなものが1680円で出来たら大騒ぎなのだ。