市ヶ谷の釣り堀

土曜は家族で市ヶ谷の釣り堀に行く。
娘が以前から釣りをしたがっていたし、天気もよく、釣り日和かなと思ったのだ。またしても一週間雪隠詰めだったので、私も少し陽にあたりかった。神田川の桜も少し楽しめるかなと思ったのだが、ほぼ終わっていた。
市ヶ谷の釣り堀は子どもの時分から中央線の車窓から見下ろしていたが、行ったことがなかった。平日に釣りしているおっさんたちを見つつ、なんだかのんびりしてていいなと、ずっと思っていたのだ。
メインは鯉釣りなのだが、子ども向けに金魚と鯉の幼魚の釣りコーナーもある。「金魚釣りでいいんだろ?」というと、「いや、私は鯉を釣りたい」と。相変わらず身の程知らずの娘なのだ。
二時間やったが、三人とも釣れず。

釣りというと、小学校五、六年くらいに友達と多摩川でフナやハヤを釣ったくらいしか経験がない。
昔国立に釣り堀があり、やはり小学生の頃、友達と二、三度行ったが、鯉が釣れたことはなかった。
石神井公園にもかつて釣り堀があり、嫁と行ったが、やはり私は釣れず、たいしてやる気もなかった嫁が大きな鯉を釣った。そんなもんなのだと思いたい。
市ヶ谷の釣り堀でも、向かいに座っていたカップルの女性が、ほとんど釣り未経験な感じだったが、続けざまに鯉を釣りあげ、連れの男性を大いに驚かせていた。
それにしても、こらえ性の無い娘がよく二時間も飽きずにやっていたものだ。釣りの時間というのは不思議で、何かとせっかちになってしまった私もぼんやり浮きを眺めていて、全く退屈しない。むしろ日頃のんびりしている嫁が開始して30分も経たないのに、「二時間もやるのはどうなのか」的な発言をし、竿を置いて、いけすの縁にへばりついているザリガニをいじったりしている。
竿を返して、娘に「釣れなくてつまんなかっただろ」というと、「面白かった」というから、これまた不思議だった。