メキシコでの新型インフルの感染源として、ベラクルス州アメリカ資本の養豚場近くの村が怪しいと、英ガーディアン紙が報じているらしい。村人の6割にあたる1600人が、インフルエンザ的な症状の病気にかかったという。2月まで遡るようだ。しかも、最近になって、村人がテレビを見て、「我々がかかった病気はこれ(新型インフル)なんじゃないの?」と声を上げるまで、当局は疑いを持って対処していなかったようだ。
しかも、不思議なことに、最初の感染者の可能性がある5歳児以外は、新型インフルの陽性反応が出ないのだという。保健相は早々に、「無関係」との声明を出した。農業省も近くの養豚場の豚からウィルスは出ていないと言っているらしい。保健相は「感染源もぜんぜんわからないので」と、なんだか調べようという気があるのか? と疑いたくなるような態度で会見に臨んでいた。

それにしても、小さな村の6割がインフルエンザ的な症状を呈したという異常事態に対して、早々に「無関係」宣言を出せるというのも、なんだか妙な感じがする。では、彼らがかかった病気は何なのか? 季節性のインフルエンザなのか、という答えもない。
保健相は、むしろオアハカ州の女性が最初の感染源では?という見方を示したらしい。だが、この女性は国政調査員として多くの人と接してきたらしいが、豚との接点は確認されていないという。

私はベラクスルス州は、ほんの3日くらいしか滞在した経験がない。滞在したのが海辺の都市だったので、夜でも「こんなに湿気が多い場所ってあるの?」と思うほど、暑く、湿っぽかった。
あまりに暑くジメジメしているので、オープンカフェのような店で、アイスクリームを注文したが、これがいけなかった。「特別にサービスしておいたわヨン」と、年増のウェイトレスにウインクされつつ届いたのが、山盛りになったとんでもない量のアイスクリームで、貧乏性ゆえ、なんとか平らげたが、店を出ると暑いは湿っぽいは、アイスの食べ過ぎで気持ち悪いは、甘ったるい臭いが離れないはで、ますます不快指数が上がった状態で宿に帰ったのだった。

対して、オアハカは山岳地帯にあり、気候もカラッとしているし、真夏でも気温はさほど高くない。インディヘナの人口が多く、彼らの間で感染者が多くいても、なかなか調べが進まないかもしれない。

どちらが感染源なのか、まだわからないようだが、そもそも、メキシコのどこでどれくらいの感染者がいるという大まかな数字すら、保健省は発表していない。
発表できるようなデータが全く集まらないのかもしれないが、件のベラクスルス州のアメリカ資本の大養豚場への疑いをそらしたい、輸出する肉に対する被害を低くとどめたいというような「配慮」が働いていないことを願う。