『週間百不思議』

現在発売中の講談社『週刊百不思議』は、ストーンヘンジの特集で、拙著『巨石』から写真をお貸しした。特集タイトルは「ストーンヘンジ健康ランドだった!」という、巨石本の歴史の中でも最も思い切ったもの(?)なのだ。
何故に「健康ランド」なのかというと、昨年話題になったBBCが資金を提供したストーンヘンジの発掘調査が、ストーンヘンジは古代の「ルルド」つまり、病気治しの場所だったのでは?というタイトルのもとに行われたことによっている。日本でも新聞などで大きく紹介された。ストーンヘンジ周辺の遺跡から病気をもっていたとみられる人の遺骨が非常に高い割合で出てくることから、こうした仮説が提示されたのだが、この仮説に、ストーンヘンジに設置されていたブルーストーンと呼ばれるウェールズ産の花崗岩が、近くにいる人に岩盤浴的な効果をもたらしたのでは?という仮説を加えて「健康ランド」となったらしい。
件のBBCのテレビ番組はまだ見ていないが、発掘調査で何が明らかになったのか、興味深い。おそらく出土品の年代測定を厳密に行ったのだと思う。ストーンヘンジは前世紀初頭までずっと私有地だったのだが、前世紀前半に大規模な発掘を行ってから、観光地だったこともあり、本格的な調査が行われてこなかった。今回の発掘も1週間ほどの限定的なものだったが、きっと、遺跡が使われていた年代の幅などは細かいデータが出てくるに違いない。