カットした瑪瑙4

無理をして大きな団塊を切ろうとしたため、切断機のモーターベルトが切れたが、自動車用のVベルトで復活した。


石川県小松市の赤瀬周辺の川で採取した流紋岩の球顆は、オパールが入っているものが多かった。大きな団塊に小さなオパールの塊が点在しているものが特徴的だ。

これは瑪瑙とオパールが層状に重なったものだ。

流紋岩そのものもなかなか模様が面白い。アパッチ・ライヨライト、レインフォレスト・ジャスパー、リリパッド・ジャスパーなど、ジャスパーと同じような扱いで取引される模様の美しい流紋岩がある。今回切った球顆にも、いくつかユニークなものがあった。むしろ瑪瑙の部分より、母岩の模様の方が面白い。

Kさんに案内していただいて、金沢市の医王山周辺の川で瑪瑙を採って帰ったが、サンダーエッグ=流紋岩の球顆タイプのもの、岩石の空隙に脈状に生成したようなものなど、いくつかタイプがあるようにみえる。異なるタイプの瑪瑙を産する複数か所から川に流れ込んでいるのかもしれない。ほとんどがグレー、または烏龍茶のような色をした瑪瑙で、うっすらと縞模様が入っている。サンダーエッグタイプのものには、長さが30センチ近い大きなものもある。







津軽の瑪瑙もたくさんカットした。
数年前、富山と青森で瑪瑙を採取していたという方のご子息から、原石を数多く引き受けたことがある。30年以上前のコレクションで、残念ながら、産地などが全くわからない状態だった。素性のわからない瑪瑙の原石ということで、まとめて大量に送っていただいたのだ。
いずれも大きな塊で、カッターがないので、放置していたのだが、今回20センチ以下のものをいくつか切ってみた。
縞模様が覗いているノジュールに期待していたが、切ってみると、残念ながらどうもそれらはブラジルかウルグアイのものに見える。6-70年代には日本に大量のブラジル、ウルグアイの瑪瑙原石が持ち込まれていた。甲府は当時では世界一瑪瑙の加工産業が集中する場所だったらしい。瑪瑙の灰皿など、60-70年代の応接間にはよく置いてあったのだ。
その後、人件費の問題などで、瑪瑙の加工業は台湾などに拠点が移ったようだ。今でも、知り合いのアルゼンチン人の瑪瑙ディーラーは、無色の瑪瑙原石を大量に台湾に輸出している。
私が譲ってもらった原石は70年代までのものだ。ご自分で採取したものだけでなく、いろいろな方と石を交換したり、購入したりしていたという話だった。
当時、加工用の瑪瑙原石が甲府や若狭、津軽などに大量に持ち込まれていたことを考えると、件の愛石家の方のコレクションにブラジルやウルグアイの瑪瑙の原石が入っていることも頷ける。
この方のコレクションで、はっきり素性がわかるのが、青森のモス・アゲートだ。ただし、残念ながら青森産ということ以上の詳しい産地はわからない。
モス・アゲートはインド産のものが大量に加工されて流通しているが、青森のモス・アゲートはなかなかのものだと思う。
縞瑪瑙の原石などもいくつかカットした。最もユニークだったのは、細いチューブが並んで入っているオレンジ色の瑪瑙だ。