巨石と巨人伝説

講談社の『週刊世界百不思議』の37号「ヒトラー「UFOで火星移住」の野望」の小特集「だいだらぼっちと神宿る巨石」に巨石の写真をお貸しした。しかし、相変わらず凄い特集。ヒトラーが火星に移住しようとしてたなんて、わしゃ知らんかったなぁ。
小特集は主に日本の巨石と巨人伝説に関するものだ。今年訪れた遠野の続石の弁慶伝説なども巨人伝説の変形といえそうだ。
ブリテン島、アイルランドにも巨人伝説は多いということで写真をお貸しすることになった。
巨人伝説はコーンウォール地方に多い。そもそもブリテン島ドルメンにも「巨人の家」の別名のあるTrethevy Quoit「巨人のテーブル」とも呼ばれるLanyon Quoitなど、ドルメンにも巨人に結びつけられたものが少なくない。そもそも、Quoitというのは、輪投げ遊びのことだが、ドルメンは巨人が輪投げ遊びにつかったものだという言い伝えからきている。ホリバーンという気の優しい巨人が人間の子といっしょに輪投げ遊びをして、誤って子どもを殺めてしまったという有名な民話がある。ウェールズでは、ドルメンにcoetanという言葉が付くが、同じ意味だ。
ウェールズではドルメンに「巨人の」とつくものより、「アーサーの」とつくものが多い。伝説のアーサー王のことだが、アーサー王もまた様々な伝説を総合して考えると巨人としか言いようのない大きさなのだった。
『世界百不思議』には、アーサー王の岩という名のドルメンの写真と、コーンウォール東部のボドミン・ムアにあるチーズリングという名の岩の写真をお貸しした。チーズリングは人工の石組みではなく、自然にできた形だ。特に巨人伝説と関連もないのだが、形のインパクトが強いため、掲載されたのだろう。

ところで、チーズリングという音から、てっきりリング状のチーズを重ねたような形、ということなのかなと思いこんでいたが、スペルはcheesewringで、昔のチーズ絞り器のことなのだった。お恥ずかしい。サイトも修正しておいた。