メノウの本・雑誌

ドイツのメノウ・ディーラー、ピーター・ジャッケルが発行しているメノウの本を購入。タイトルはAchate aus Marokkoと、モロッコのメノウとあるのだが、届いてみたら、半分はドイツのメノウの紹介だった。美しい標本の写真、産地の写真満載のなかなかいい本だ。
ロッコのアトラス山地にはメノウの産地がたくさんあり、新しいものも次々と見つかっている。

また、アメリカの雑誌Rock & Gemの2009年11月号がメノウの特集満載だったので、取り寄せる。



メインの特集は「メノウの中のこれは何?」というもので、メノウの種類の基本知識に関するものだ。
面白かったのは、有名なアメリカのメノウ専門店The Gem Shopのオーナー、Gene Muellerのメノウ探索の半生記で、ラグーナ、アグア・ヌエヴァ、アパッチなどのメキシコのメノウの採掘を巡る話が載っている。彼がいなければ、チワワ州の美しいメノウが市場に出ることはなかっただろう、という話。
彼は祖父の友人が石屋で、8歳のときにレイク・シューペリア・アゲートを拾ったのがメノウ収集のきっかけだったらしい。重機を持ち込んだ採掘の苦労話など、結構面白かった。メノウのハンターも「山師」であることに変わりない。地主に金を払い、重機を調達して、砂漠に道を造って採掘してもいいものが出て来なかったら大損、ラグーナのような美しいメノウが採れる場所を探し当てたら、一攫千金とまではいかないけれど、今のようにメノウの値段が高くなるとそれなりに潤うはずだ。彼の店のメノウも10年前に比べると値段が3倍くらいになっている。
ケンタッキー・アゲートの紹介の特集も面白かった。ケンタッキー・アゲートは5年前くらいまでほとんど市場に出ることはなかった。地元の大学の地学者もよく知らなかったというから驚く。川で採取するのがメインらしいが、いくつかポイントがあり、驚くことにアメリカは川も私有地になるらしい。地主の許可がないと川に入れないのだが、最近高値で取引されているため、金目当てで無許可で取りに入る者が増えているという。
ケンタッキー・アゲートが有名になったのは、地元の判事をしていた人がサイド・ビジネスとして売りに出したものが、ヨーロッパのショーに持ち込まれたのがきっかけだ。ほんの5年前くらいの話だが、これで値段が跳ね上がってしまった。彼は判事の選挙かなにかに勝つために金が必要だったようだが、メノウを売りに売って、結局負けてしまった。

ジャッケルからメノウも購入する。アルメニアのメノウだが、いろんなインクルージョンが入っていて面白い。