まどみちおの番組

年末に正月のテレビ番組紹介など見て、NHKで詩人のまどみちおの番組をやると知っていたのに、絶対に見ようと思っていたのに、情けないことにさっきまですっかり忘れていたのだった。
すっかり忘れていただけでなく、かわりに(?)東宝・円谷特撮の『電送人間』『美女と液体人間』『ガス人間』などしっかり予約録画し、見てしまった。
それはそれでよかったんだが...。
30日に再放送するようなので、今度は忘れないようにせねば。

まどみちおは童謡「ぞうさん」「やぎさんゆうびん」などの作詞が有名だが、昨年100歳になられた。
私は数年前まで名前を聞いたことがある、という程度にしか知らなかった。それが、書店で『とおいところ』というまどさんの画集が面出しで置いてあるのを見て、吸い寄せられるようにして手に取った。とても新鮮だった。
「この世のどこにもない世界、この世にひとつきりの、自分の世界を描きたい」という彼の絵はどこかクレーに似たところがある。タマヨにも少し似ている。
静謐で、どこからか美しい音楽がきこえてくるような、誰かの小さなささやきが、生き物のざわめきがきこえてくるような、不思議な魅力のある絵の多くは、彼が50歳を過ぎてから集中的に描かれたものだという。50歳からと、人生の終盤に入ってからという印象だが、彼の場合は...もう40年以上も前のことになるわけだ。100歳っていう時間はすごい。

まど・みちお画集 とおい ところ