ipadその後

ポケットwifiで自宅が微妙に圏外なので、仕方なくルーターairmac expressを買って、無線LANを使うことにした。金がかかるなぁ...。
ibookでproject Gutenberg の本を数冊ダウンロードしてみる。英英事典が入っていて、ダイレクトに辞書が使えるので、便利だ。単語のコピーもできるので、別の辞書にペーストして使うこともできるけれど、いかんせんマルチタスクでないので、やや面倒だ。いずれマルチタスクのOSが出るようだが。
project Gutenbergにはウィリアム・ブレイクの挿絵集などもあるが、これが何故か絵が頁からはみ出してしまっていて、三分の一くらい切れてしまう。いろいろといじってみたが、直らず。

kindleも使ってみようと、Wilt sikesのBritish Goblinsのkindle版を買う。とうに著作権の切れた本なので、三つほどエディションがあるが、挿絵が入っているかどうか、説明にきちんと書いていない。この本は挿絵が多く、結構面白いのでできれば挿絵入りがいい。挿絵が表紙に使われているものを買ったところ、中にもきちんとオリジナルの絵が入っていた。
kindle版全てがそうなのかわからないが、驚いたことに本文のコピーができない。したがって辞書が使えない。これは不便だ。今後洋書は電子書籍でもいいかなと思っていたが、辞書無しでずんずん読めるほどの英語力はないので、これではとてもkindle版は買えない。
サイクスのこの本は幽霊、妖精、魔女、怪奇現象など、おかしな民話ばかりを集めたもので、「ブリティッシュ」といっても、ほとんどウェールズの話だ。ウェールズには石にまつわる話が多く、山の上にあった大きな石が谷を「歩いていた」ところを見た人がいる、海に落とした大きな岩が翌日には元の場所に戻っていた、など、定番の話も多い。拙著『巨石』でも随分参考にさせてもらった。
特に面白いと思ったのは、石には病気などを「うつす」力があり、たとえばだれかが、顔のこぶを石に「うつして」道に捨てる、それを不用意に拾うと、そのこぶが自分に「うつって」しまう、というような話だ。無機物に
ドルメンの下に妖精の住む世界があり、夜中に妖精の祭りを見た、という話もあるが、こうした伝承の「現代版」が、巨石の下には未知の「パワー」がある、というようなものだ。使われているタームは違うが、構造はほとんど同じなのだ。真夏の夜に異界を覗いてしまった、という話は好きだが、「パワーをもらった」というような話はどうも発想が消費社会的でいけない。