津軽の銘石を扱ってらっしゃる青弘苑さんを埼玉は北葛飾郡杉戸町に訪れた。ミネラルフェアーではおなじみの業者さんだが、お店を拝見するのは初めてだ。
店舗といっても、いわゆるお店ではなく、ご自宅に倉庫プラスちょっとした展示があるということで、地図を見ると住宅地だ。すぐに見つかるかしらと思いつつ行くと、見つかるどころではなかった。看板も出ているし、なんといっても、巨大な庭石がドカンドカンと置いてある。アリゾナのレインボー珪化木の巨木が、背丈を超える巨大な梅花石(球顆が散っている流紋岩)が丸磨き(!)で、無造作に置いてあるのだ。育った国分寺には庭石をたくさん扱う造園業者があったので、庭石は見慣れていたが、石の質が違う。菊花石を組み上げた石灯籠まである。
店主の佐藤さんが石の業者になるまで、石をトラックに積んで高速道路も無い時代(昭和30年代)に青森から関東、愛知、さらに広島まで売り歩いた波瀾万丈の苦労話をたっぷりお聞きした。店舗の中にはミネラルフェアーには持ってこれない大きな石もたくさんあり、見応えがあったが、大きな孔雀菊花石がすばらしく綺麗だった。高さが50センチほどもある大きなものだ。私はあまり丸磨きした石を木彫りの台に乗せて観賞するという日本的なスタイルはあまりピンとこないのだが、これは文句なしの逸品だ!