浜岡原発停止の要請は、この政権で初めて評価できる判断じゃないか。人気取りとか唐突だとか、ここだけとり上げるのは不公平とか言われているが、そんなことはどうでもいい。この原発が動いていること自体がどうかしているのだ。それに党内であれこれ議論などしていると、あっという間に外堀を埋められてしまう可能性が高い。民主党は今や自民党以上に原発イケイケ党になっていたからだ。なんとか押し切ってほしい。
地元は助成金と雇用の問題でいろいろ影響も大きいだろうが、福島第一の地元・双葉町は、過去に大変な金額の助成金を受け取っているにもかかわらず、今は早期健全化団体に転落していることをみても、原発は一度受け入れると定期的に増設を受け入れないと金まわりも雇用も成り立たなくなる麻薬のようなものだ。
また、この機に電力会社の構造そのものにメスを入れ、発電・送電を切り離し、電気料金の設定に関する法律も変えなくてはいけない。でないと勝手にわけのわからない施設の投資に金を使われ、全て電気料金に乗せられるということの繰り返しだ。数十兆とも言われる核燃料サイクルにかかわる費用をはじめ、どんなに採算の合わない設備を作っても、無駄な投資を行っても、どんぶり勘定ですぐに電気料金で回収できる、こんなことは通常の企業では考えられない。
小沢一郎が政府の原発対策批判をしていたが、そもそも電源三法交付金を導入したのは田中派であり、箱もの建設ー補助金ー政治という仕組みで勢力を広げてきたのは彼らだ。原発もまたとんでもなく金のかかる「箱もの」として推進されてきた。偉そうなことを言う資格は無い。