宮古島の海岸で見事な「脳」をみつけた。
海岸でタカラガイを探していた途中、浜に打ち上げられた脳サンゴの見事な「脳っぷり」に感動し、持ち上げてみたが、あまりの重さに放棄。が、戻り道、どうしても気になるので家族会議にかけたところ、これは棄て難いんじゃないか、あんたの脳と入れ替えてはどうか、などの積極的な意見が出たので、持って帰ることに。さすがに重いので、コンビニから宅配便で送ったが、宮古島からの送料は大変なものがある。あて名書きをしながら沸きがって来た「そこまでするか?」という疑念を抑えつつ、自宅へ。ドアストッパーにでもしようかと思ったが、配達の人などが自分の脳が転がり落ちたと勘違いして慌ててもいけないので、新事務所に持っていくことにする。

子供の頃、親父がよく「脳のシワが多いほど頭がいいんだ」とか言っていた。勉強すればするほどシワが増えるかのような言い方だった。自分は頭がいいと、ちょっと自信を持っていた親父だったが、実際にクラスメートや同僚の脳と比較して見たりしたことは無いはずなんだが。額が出ていると脳がでかいから頭がいいとか、骨相から人間の性質を判断しようとした19世紀の学説の名残のような感じだろうか。

海の中を見ていると、脳サンゴの存在感はすごい。でかいものになると運動会の大玉送りの大玉ほどあるが、脳に似ているせいか、なにかの大きな「意志」を感じることがある。枝サンゴの林を抜けて、巨大な脳サンゴが現れたときなど、ビョワーンと、どこからかシタールの音色が聞こえてきそうな感じだ。これが小さな生物の集合体というか、建造物だというのがまた信じ難い。お互いどのようなやりとりをして、こんなシームレスな形ができ上がるんだろうか。