コロンビア滞在7

朝6時にサン・アグスティンを出て、カルロスとピタリト、ラブラタ、ティエラデントロと移動。
ラプラタからティエラデントロは乗り合いタクシーだ。交通手段はいろいろあるが、乗り合いタクシーが一番安い。後ろが幌つきのベンチシートになっているが、どんどん乗ってくる乗ってくる。大して大きな車じゃないが、最高で一台に20人と猫一匹乗った。身動きとれないほどぎっしりになっても他に交通手段が無いので、途中子供を中に突っ込んで、外側にぶらさがって移動する母親もいる。子供も慣れたもので、人の上に乗っかって寝ている。


バスターミナルで売っているお菓子。

乗り合いタクシー

バスの中と外


以前はサン・アグスティンから一日以上かかったようだが、少しずつ道路がよくなっているのだろう。7時間ほどで到着。ラプラタからは半分くらいオフ・ロードだったが、新しく舗装工事をしていたので、おそらく数年後にはかなり短い時間で行けるようになるだろう。

ティエラデントロは山の上に縦穴式の墳墓がたくさんあることで知られている。サン・アグスティンに石像が作られた時代よりも後、10-13世紀頃のものと考えられている。
穴の深さ、広さは様々だが、大きなものはちょっとした洞窟といっていいほどの規模があり、深さ9メートルにも達する。いくつかは見事な幾何学的な模様の壁画が描かれていて、柱には墓守のような顔が掘られている。サン・アグスティンの像とは少し違う顔だ。







今回は時間が無く、来るだけでせいいっぱいだった。周囲の山頂には数えきれないほど多くの墓穴があり、余裕のある人は一日かけて山を歩くようだが、私は今日の午後めいっぱい見て、明日は早く出なければならない。ちょっと無理な日程だが、なかなかコロンビアに来る機会も無いだろうから、無理やり来てしまった。静かでとてもいいところだが、少し前まではゲリラの勢力圏だったようで、あちこちに組織名がペイントされている。このペイントは二ヶ月前に来たときは無かったな、とカルロス。くわばわくわばら。

コロンビアのゲリラは、現在政治活動というより、コカインで金を稼ぐ組織になっていて、強制的に土地を奪い、畑を潰してコカ畑にするという。抵抗すると子供でも殺すんだ、とカルロス。昨日いっしょに石探しをしたメリアム(マリアじゃなかった)の父親も土地を奪われて、小さな家に同じ境遇の者たちと一緒に詰め込まれたと言っていた。

隣にはサン・アンドレアスという村があり、多くの旅行者はこちらに泊まる。古い村で16世紀に建てられた教会がある。クリスマスの準備をしていた。

悪い男呼ばわりしておいてなんだが、カルロスはとてもいい男だ。あやしげな「出土品」を売ろうとしたこと以外は。教会で長く熱心にお祈りしていた。
この花は咽と咳に効くんだ、とカルロス。

ここの人はみんな良くしゃべる。スペイン語が全然わからないんだ、と言ってもしゃべるしゃべる。乗り合いタクシーの運転手もよく話しかけてくる。自分がパンを食べるときは「お前も食べるか」と。
カルロスは全く学校に行ったことがないようだが、頭がいい。かなり英語が使える。旅行客と話して覚えたのだ。よくしゃべるコロンビア人だが、カルロスに言わせるとアニワルは「ちょっとおかしい」と。「あいつは常にしゃべっている。でもあいつは本当に人がいい」と。二人とも悪い奴呼ばわりしてすみませんでした。