オーストラリア・ノーザンテリトリー旅行7

ニトミルク渓谷を遡上する船に乗った。渓谷を船で、というと長瀞や昇仙峡の川下りのようなものを連想しがちだが、流れは緩慢そのもの。どちらに流れているか、ぱっと見ではわからないくらいだ。
水量もそれほど多くなく、所々水深が浅い所があるので船を乗り換えて進む。

この渓谷沿いにも岩絵が複数残されているようだが、そのうちのひとつを見る。ここはアボリジニが長く住んでいた場所で、ブルース・チャトウィンの『ソングライン』に、土地の権利をめぐる運動について書かれていた。

中央の人物画に重ねるようにして逆さになった鳥が描かれている。最初はコウモリかと思ったが、どうみても枝にとまる鳥を逆さに描いたものだ。
すぐ近くに人間を逆さに描いたものもある。この「逆さ書き」はどういう意味があるんだろうか。


岩絵は草が茂ってしまっていて全体がよくわからなかった。


クルーズはいくつかのタイプがあるが、4時間という最も長いものを選んだ。ひたすら緩慢な流れをゆっくり上っていくので、4時間は長すぎたかなと思ったが、最後に楽しみが待っていた。支流のひとつに落差の大きな滝があり、ここで休憩。滝つぼでたっぷり泳いで帰った。