小熊斗志也さんの瑪瑙工芸

瑪瑙(めのう)の工芸品の歴史が深い若狭で、高い技術をもって芸術的な瑪瑙工芸品を作り続けてらっしゃる小熊斗志也さんの作品がイギリスのギャラリーで紹介・販売されるようになった。
http://www.adriansassoon.com/contemporary/hardstone

瑪瑙を使った工芸品は海外にもいろいろあるが、欧米のものはどちらかというと色彩も形も大柄なものが多い。日本でも瑪瑙工芸というと赤く色揚げしたものが主流だったと思うが、小熊さんのものは抑えた色調の石を使った、大変静謐なたたずまいの、気品あふれる作品だ。正倉院の宝物殿にあっても馴染むのではと思えるオーソドクスな東洋的趣向とモダンさが相まった作品は、きっと海外でも高い評価を得るに違いない。
若狭の瑪瑙工芸は、産業としては幕を下ろしてしまったが、なんとか、高い技術の継承がなされればと思う。