ペルー・ボリビア旅行1日目

ロサンゼルス経由でペルーのリマへ。約10時間乗って3時間半空けてさらに9時間と、約丸一日の移動だ。リマ着は夜の12時過ぎだ。しんどい。
アメリカの入国審査はトランジットのために寄港した者も全て指紋をとりカメラでのぞくいやなものなのだが、ロスの係官が本当に酷い態度だった。「後ろに一歩下がれ」、「まだ指を置くな」などと怒鳴るような言い方、まるで罪人扱いされているような感じだった。パスポートもカウンターに置いても自分で取らず、「俺の手にきちんと渡せよ」という態度。ものすごく不愉快だった。
隣のカンターからも同じような雰囲気の声が聞こえる。何なんだ、ここの職員は。
その後でたまたまいたJALパックの人に間違った方角を教えられて大きな空港を行ったり来たりさせられるは、腕時計の竜頭がもげて壊れるは、なんとも不快な旅の始まりだった。

ともあれ、宿に2時頃に着き、3時間ほど寝て翌日は飛行機でクスコへ。
日本で処方してもらった高山病予防の薬を一日前から飲めと言われていたので、飛行機の中で飲んだが、医者も指摘していたが、どうも利尿作用が強いようで、度々トイレに行きたくなるのが難だ。
雨期だが、クスコに着いたときは晴れ間が出ていた。
午後はクスコ市内の半日ツアーに申し込んだ。日本語を結構上手に話す地元の男がガイドだ。ペルーはATMも日本語表示があるので驚く。そんなに来てるんだろうか?日本人の平均的な月給はどれくらいだ?というので、全体の平均だと40万くらいじゃないか?というと、「そんなはずないだろ?」と信用しない。「こんな遠い国に遊びに来るんだから、もっと金持ちなはずだ!」という感じだったが、本当なんだって。

クスコはインカ帝国の中心地だったので、町のあちこちに石組みが多く残っている。多くはスペイン人に崩されて教会や新しい町の建設に使われたが、広場を囲む建物の壁面のかなりの部分がインカの石組みだ。インカの石組みの技術の高さを示す有名な12角の石は泊まった宿のすぐ近くだった。

これなんか、職人が技術の高さを誇示したくてやったとしか思えない。

太陽神などを祀る黄金で飾られていたという神殿「コリカンチャ」もスペインに教会と修道院に改造された。石組みは一部残っているが、こちらは全て四角く精緻に整形した石材を使っている。しかもこれが単に四角い石材を積んだものではなく、ほぞ穴を空け、ズレないようにぴったりと組み合わせた、おそろしく緻密な技術で実現されたものなのだ。

こうした壁面のニッチにはかつて金銀をふんだんに使った彫像などが安置されていたというが、全て溶かされてスペインに持ち出された。黄金製品の多さがエルドラド伝説を生んだ。王の身の代金代わりに部屋一杯に金銀の財宝を積ませ、結局約束を反故にして処刑したというのも有名な話だ。

この後さらに山間にある遺跡に向かうのだが、睡眠不足で気が遠くなってきたので。明日に回すことにしたい。明日も事情があって5時起きになってしまった。