ペルー・ボリビア旅行七日目

今日はチチカカ湖の島をめぐるツアーに乗った。送迎のバスに乗ると昨日もいっしょだった日本の姉妹が。なんだか一緒に旅行している感じになってきた。

先ず葦でできた浮き島ウロス島に。ふかふかしている。島は食べ物は漁業と鉄砲やかすみ網をつかった鳥の捕獲、現金収入は今ほとんど観光だと思う。村の長がどのように島が出来ているか説明する。



葦でできた伝統的なトトラ船も、今は観光用で、自分たちは、普通の手漕ぎやモーターボートを使っている。

ソーラーパネルがあり、ガスもつかっている。テレビもある。ただ、狭い浮き島ゆえに、八畳ほどの小屋に5人の家族が住んでいる。壁に九九の計算表が貼ってあった。12X12までかいてある。

女性は長く三つ編みして、後ろにまとめ、先にぽんぽん飾りをつけている。



つぎに、タキーレ島という少し大きな島に上陸する。六つの部落があり、約6000人が住んでいる。小学校もハイスクールもある。島は勾配がきつく、標高4000メートルの頂上にある広場まで上がっていくとかなり息が切れる。
この島にはロバも馬もいない。自転車も、もちろん自動車もないので、荷物は全て背負って歩く。毎日沢山歩くので、この島の住民は長生きなのだと、ガイドが。90代の人が大勢いるらしい。



疲れたらコカの葉を噛む。小さなポシェットを下げていて、中にコカの葉を入れているのだが、朝道すがら挨拶代わりに互いのポシェットからコカの葉を交換するのだそうだ。

島の暮らしを説明してもらう。男は独身と既婚者と帽子の色と形が違う。面白いのは、胴巻きというかしっかりしたベルトを巻いているのだが、夫の腰をいためないようにと、結婚すると新妻は自分の髪の毛を入れて硬く編んだベルトを編むのだそうだ。また、髪の毛を長く切って、夫の祭り用のウィッグを作る。


チチカカ湖はもともとは小さな魚しかいなかったらしいが、カナダからニジマス、アルゼンチンからキング・フィッシュという大きめの魚を輸入してこれを採って食べている。ニジマス料理を食べたがおいしかった。

ウロス・タキーレのツアーで一人旅の日本の大学生の男の子に会った。これからボリビアに入り、できればチリからパタゴニアまで行きたいと言っていた。そんな旅はその歳じゃないとなかなかできない。

港に戻り、プーノの西の丘の上にあるシユスタニ遺跡に向かう。プレ・インカ、インカ時代に使われていた円形の塔の形の墓「チュルパ」のある墓地だ。湖を見下ろすとても眺めの良い場所にある。プーノでは多くの人が訪れる場所だが、日暮れ前の観光客が去った後で、静かで、どこか厳粛な気持ちにさせられる場所だった。


そして、ここにも何気なく、欧米のニューエージ系の人が喜びそうな不思議模様の彫られた石が。どこかブリテン諸島カップ・アンド・リング・マークのようで、本当にかなり古いものかもしれない。

シユスタニに向かう途中の道沿いには、高い石垣の塀で囲まれ、アーチ状の門のついたユニークな家が多い。面白い形だ。その一つの前で車を降り、写真を撮ろうとしたら主人が出てきた。「撮っていいですか?」と聞くと、「撮りなさい、中も撮りなさい。私も撮っていい」と。いろいろ撮らせてもらって薄謝を渡した。


食用のモルモット、クイ。

「それを、ここで調理だ」と、主人

中庭にあったこれはマラ石的なものだろうか。

「そして、これが俺の部屋」

プーノ市街に戻ると広場から大変な喧騒が聞こえてくる。教会の前でブラスバンドが演奏し、きらびやかな衣装を着た女性たちが手に樽みたいなものを持ってくるくる回っている。旗みたいなものも出ているので、宗教的なものかなと思いきや、よく見ると、「クスケーニャ」というビールの旗だった。樽はどうもウイスキーの樽らしく、手にシーバス・リーガルの箱を持っているおばちゃんもいる。よくわからないのは模型の飛行機を持っている人も多く、それをくるくる回しているのだ。何か酒にちなんだイベントらしいが、広場では花火が上がり、すぐ横の特設ステージではバンドが全く無関係に演奏を始め、もう音もぐちゃぐちゃだった。何なのか知りたくて、ホテルのフロントの女の子に聞くも、「知らない。お酒の箱とか樽とかを持っていたの? まぁ、酒はペルー人の習性みたいなものだからね」とか言って、全く興味ありません、という感じだった。