ペルー・ボリビア旅行九日目

今日はティティカカ湖最大の島「太陽の島」に行く。これもボリビア領だ。二日続けてボリビアに入って帰るなんてアホなことをする人はそういないだろうと思うが、ティワナクから続けて行くには一度ボリビアのラパスに泊まらなければならない。荷物を全部持って移動して、またプーノに戻るのもばかばかしいし、ラパスから出ても時間はたいしてかわらないので、少し無駄だが仕方なしとした。
「太陽の島」はインカの初代王の生まれた場所とされている、伝説の島だ。インカの創世伝説にはいくつかバージョンがあるらしいが。
島に渡るにはコカパバーナというボリビアの町から船に乗るのだが、この町はプーノよりもこじんまりしていてなかなか感じいい。この日は教会で牧師が自動車に聖水をかけて無事故を祈願してくれる日とあって、花飾りでゴテゴテになっている車が多く集まっていた。教会の入り口には願掛けの縁起物が沢山売られているが、驚いたことに招き猫が売っているではないか。
乾物屋ではポップコーンを積み上げている。

どうもこの日に参加したツアーは失敗だった。ちょっと大きな双胴船に乗って中で食事したりするのだが、どうもクルーズ的なものがメインで、遺跡の見学や説明など本当におざなりだった。見晴らしの良い場所に集めて「皆さん、島のシャーマンが皆さんのために祈祷してくださいます」とか言うのだが、私はこういうのが嫌いだ。マヤ遺跡でもシャーマンと称する人が欧米人のツアー客を円形に座らせて儀式めいたことをしたりするが、シャーマンだというなら村と村の祖先にだけ祈ってほしい。また、そういうことに参加したがる欲の深い観光客も嫌いだ。ついでに言うと、遺跡で座禅をくんだりしている欧米人を見るとうんざりする。お金を払って楽しみに来ておいて、さらに心まできれいになろうなどという了見が信じられない。

さて、太陽の島は小規模な神殿の跡と、長い石段、泉の跡がある。石段の両脇には遊園地のような王と女王の立像があったが、なんだかちょっといただけない。

島には博物館があり、地域の祭りの仮面と装束なども展示されていて、これはなかなか面白かった。メキシコの仮面など大好きなのだが、一度も祭りを観たことがない。

太陽の島は眺望が良く、湖越しに夕陽が見えるので、宿泊するといいのだと思う。隣にある小さな島「月の島」にも遺跡があり、行ってみたかったが日程的に無理だった。

さて、微妙な感じで太陽の島クルーズ・ツアーは終わり、帰路についた。最初から一緒だったドイツ人女性と話をしていて、「魔法の扉」の話をすると、見てみたいと。ガイドに相談するとドライバーに追加料金を払えばとかいう。帰りの道沿いにあるのに。いくらなのかと聞くと10ドルとか言うではないか。私はこのツアー会社が嫌いになった。ドイツ人女性はそれでも見たいというので、行くことに。
今日のガイドは昨日のフレディと違って、真ん中の丸いくぼみにへそをくっつけるようにして穴の中に立てという。適当だ。ドイツ人女性は神秘的なこ
とにはあまり興味が無いが、せっかくだからとしばらくじっとしてたけど。特に何もないわね、背が高すぎたのかな、と。