オーストラリア・キンバリー旅行1日目

成田を夜9時頃に出発し、ケアンズ経由でダーウィンに向かう。
Jetstarはこの3月までマニラ経由のダーウィン直行便を出していたのだが、1年ほどであっさり止めてしまった。行きは2時間ほどのコネクションで済むが、帰りがつながりが悪く、ケアンズに一泊しないとならないのが困る。同じ航空会社で何故にこんなに融通がきかないのか。

昨年ダーウィンを訪れたときはすぐにカカドゥ国立公園に出てしまったし、日曜は店があまり開いていなかったのでダーウィン市内をあまり見ていなかった。今回は平日で時間がたっぷりあったので、アボリジナル・アートのギャラリーと博物館に寄った。
オーストラリア人はのんびりしている。観光地でも土・日は午後早めに店が閉まることが多い。博物館なども土・日は2時まで、というところが少なくない。大きなショッピング・モールなども5時で閉まってしまう店がたくさんある。これで経済がちゃんと回っているのだから、大したものだ。24時間のコンビニがたくさんあり、元旦から営業する店が少なくない日本がなぜ長期不況から抜け出せないのか、教えてもらいたいくらいだ。うらやましいので、旅行客にはちょっと不便なのだ。

すばらしい絵や木彫りを満喫した。ノーザンテリトリー博物館は自然科学や1970年代の暮らしを再現した部屋など、なんでも来いの博物館だが、アボリジニの美術品はさすがに見ごたえがある。フラッシュを使わなければ撮影も自由だ。


アボリジニ美術はドットや同心円などの抽象化されたシンボルを描いたものが有名だが、ダーウィンに近いカカドゥ、アーネムランドには独特なラインで動物や精霊を描く、壁画から脈々と続く伝統があり、これが面白い。かつてはバーク・ペインティングといって、なめらかな樹皮がきれいにはがれるPaper Bark Treeの樹皮を剥がして描いていたが、最近は非常に厚く織られたキャンバスなどに描かれている。

赤茶色にベースに白と地色と同系の色でドットをうってあるものなど、オップ・アートのような視覚効果がある。


これは「編んだトヨタ」、つまり、ヒモで編み上げた自動車だ。椰子の葉の繊維をよってヒモにして行う編み物は女性の仕事だが、これは何人かの女性が編み上げたもので、軽自動車くらいの大きさがある。大変な作業だ。

この日は岬の先端の、かつて第二次大戦に日本軍を迎え撃つための砲台などが置いてあったエリアに行き、付近を周遊して市内に戻った。