オーストラリア・キンバリー旅行6日目

Mt. Elizabeth Stationの夜はものすごく冷えた。10度以下だったと思うが、さほど離れていないSilent Groveや翌日訪れたDrysdale Stationとなぜそこまで大きく気温が異なるのか不思議だ。標高も大して変わらないように思えるのだが。霜が降りたこともあるんだと、Patが言っていた。ジャケットのひとつも必要な感じだ。ベッドには毛布が一枚。これはきつい。


この日はMt. Elizabeth Station主催の岩絵のツアーに参加した。敷地内にかなり多くの岩絵スポットがあり、半日ほどで回れる場所を選んで、ツアーを催行している。運転手・ガイドは女主人のPatだ。ロッジからさらに北へMunja Trackを、ゲートを開けて上る。ゲートには鍵がかけてあるが、そうでもしないと勝手に入って事故ったり、いろいろとトラブルがあるからだとPat。この道は最後は海に出る。Patの夫Peterがブルドーザーで造った道だというが、かつてはこの細い道を使って牛を運び、船で出荷していたのだそうだ。
途中、アボリジニのコミュニティの看板があった。
「ここから先はNgorungoru族の土地だ。敬意をもって行動すること」とある。


岩絵は3つのサイトのものを見た。それぞれのサイトにBradshawタイプ、ワンジーナ、さらに20世紀後半になってからのものと、様々な時代のものがあり、なかなか見どころがある。Patの話では、夫のPeterが見つけた岩絵のサイトが敷地内にたくさんあるらしい。実際、後にバングルバングルズで出会ったオーストラリアの男性も、Mt. Elizabeth Station周辺を歩き、たくさんの岩絵を見たことがあると言っていた。
これはシェルターの壁面に描かれた、かなり大きなワンジーナだ。

これもワンジーナだが、かなり描き方が異なる。恐らく描かれた時代は前者よりも古い。

これはぐっと年代の古いBradshawタイプの絵。体のラインが柔らかいのが特徴。

岩絵サイトの前に立つPat。

体内に卵のあるレースオオトカゲ=Goanna。レースオオトカゲはこの地方に住むかなり大きなトカゲだ。体長1メートルくらいになる。

メタリックカラーのカメムシがいて、娘は岩絵よりもこちらに興味津々だった。

ツアーには岩絵に非常に詳しい60代くらいの女性と夫が参加していた。おそらく女性は学者だと思うが、帰り道に別れて、さらに他のサイトを見に行ったようだ。私も、もしもう一度来ることがあったらもうすこし長く滞在して周囲を探索してみたい。

ツアーから戻って、やや名残惜しかったが、早々に出発した。
この日はミッチェル台地に北上する道の中継地点にあるDrysdale River Stationに向かう。距離は大したことないのだが、ラフロードのため、なかなか時間がかかるのだ。Gibb River RoadからKalumbruへと北上する道に入り、早々に、オーストラリアで岩絵のトレッキング・ツアーを主催している男性からきいたサイトにひとつ寄った。
この男性は親切で岩絵のあるスポットの座標を教えてくれたのだが、これがほとんどGPSなどで使われるUTM座標で、これを一般的な経緯度にコンバートしてくれるウェブサイトを見つけるのにかなり手間どった。
それらしき場所に入っていくと、フェンスに囲まれて保護されたサイトが確かにある。見た感じ、かなり新しいものか、新しく絵をなぞりなおしたものという印象だった。


この日の夜はDrysdale River Stationのキャビンに泊まる。このステーションはかなり大きなキャンプ場、宿泊施設、レストラン、売店などを揃えていて、ミッチェル台地に行く人は必ず寄る中継地だ。売店は食べ物はスナックくらいしか売っていない。やはりブルームで食材を大量に買っておいてよかった。
レストランでキンバリー・スタイルのハンバーガーを食べる。トマトの厚切りとベーコンエッグ、さらにパイナップルのスライスが挟んであるというボリュームたっぷりのものだった。
Mt.Elizabeth よりも少し広いキャビンで値段はぐっと安いので、単純に比較するとこちらの方がずっといいという結論になるのは無理からぬところもある。