オーストラリア・キンバリー旅行11日目

この日は縞々の奇岩で有名なバングルバングルBungle Bungleのキャラバンパークに泊まることになっていたが、迷ったあげく、Kununurraの少し東にあるKeep River National Parkに寄り、敷地内にある岩絵をちょっと見てからにすることにした。
岩絵のサイトは公園内に三箇所ほどあるのだが、最も面白いものが見られるサイトは道路のすぐ際にあり、ほとんど歩く必要が無いようだったからだ。ところが、公園の案内板を見ると、その岩絵のサイトがマジックで消してあるではないか。現在発行されている公園の公式ガイドにも記載が無かったので、妙に思ってはいたのだが....。なんとも嫌な予感がしたが、行ってみることに。
やはり、危惧したとおり、サイトは閉鎖されて、道そのものがフェンスで通れなくなっていた。理由も何もどこにも書いていない。全く無駄足になってしまった。帰国後に少し調べると、理由は書いてなかったが、ここは立ち入り禁止にする、立ち入った者は重い処罰を科すと、数年前の行政の文書にあった。おそらく観光客に破壊かいたずらか何かされた経緯があり、地元のアボリジニのコミュニティーが立ち入りを許可しないことにしたのだろう。こうしたケースはどうも増えているように思う。残念だ。

もう一度Kununurraの石屋を尋ねてみるが、やはりこれも留守。まったくついてない。

国道1号線を南下して、バングルバングルのあるパーヌルル国立公園 Purnululu National Parkへ。公園内のキャンプ場に泊まろうかとも思っていたが、国道から公園内の入り口までの道が非常にラフで時間がかかるときいていたので、国道沿いにある比較的新しいキャラバンパークに泊まることにした。自前のテントではなく、大きなテントの中にベッドが入っているものを借りた。

夕方、ヘリで遊覧飛行をする。変化に富んだ、とても面白い地形だ。一帯は国立公園になるまえは広大な放牧地で、1980年代にテレビの取材で、独特な縞々模様の奇岩群が「発見」され、国立公園になった。こんなに広大な場所がそんなに最近まで知られていなかったということも驚きだ。

こちらの遊覧飛行のヘリはすべてドアの付いてない、空けっぱなしのもので、シートベルトで椅子に固定されているだけと、結構スリリングだ。私はずっと病的な高所恐怖症で、歩道橋の上から下を見るのも辛かったのだが、昨年の暮れにペルーのマチュピチュの向かいにあるワイナピチュ山に登った後、不思議なくらい恐怖感が無くなった。ワイナピチュは非常に急峻で、足を踏み外したら遙か下まで落ちてしまうような所がたくさんある。恐ろしいのだが、急勾配を上る疲労感が恐怖心を上回った感があった。それ以来、何か変わってしまったのだ。できればずっと、このままでいたい。