オーストラリア・キンバリー旅行12日目

バングルバングルは夜かなり気温が下がる。テントは一部網戸になっていたので、結構寒かった。
このキャラバンパークはモモイロインコやRed Winged Parrotなど、オウム類が結構来る。Red Winged Parrotを群れで見るのは初めてだ。

公園までの道は確かにかなりの悪路だった。道が狭く、そしてカーブとアップダウンが多い。公園の入り口までたっぷり1時間半かかった。
公園はかなり広いので、とりあえず南へ。駐車場にニワシドリの巣があった。ど真ん中だ。おそらく人気の少ない時期に作ったのだろう。今、これだけ人が多くてはとても使えないに違いない。

Parry Creekの宿で一緒だった、本格的なカメラや単眼鏡を持ったドイツ人家族が来ていた。大きな機材を中央にドンと置いて、子どもを撮影するのに、ずっとサイトを独占している。ひとつやふたつ写真を撮りたいと思ってタイミングをみはからっている他の人は全く眼中に無いようで、何度も何度も子どもを撮り直している。困ったもんだ。好かん、この人たち。

バングルバングルの南側にはもこもことしたドーム状の奇岩があり、これが縞々になっている。Beehive=蜂の巣ドームと呼ばれている。太古の海岸沿いで、砂と泥が交互に堆積し、より水分を多く含んだ泥の堆積層にバクテリアが繁殖し、鉄分を多く含んだ方が酸化したことで、このような色の違いが生まれたという。

雨水や風の侵食、風化でドーム状の奇岩となったのだが、雨期に流れ込む水が渦をまいて少しずつ壁面をえぐり、半洞窟状の空間を作ったものがカテドラルと呼ばれている。一番観光客が集まるスポットだ。

アリ塚と奇岩が並んでいると面白い景色になる。「蜂の巣」と「アリの巣」というわけだ。

北の方に行くと、人が一人やっと通れるような岩の裂け目を歩く場所などあるのだが、私はどうしてもまたヘリに乗りたくなった。いつ何時、再び高所恐怖症に戻るかわからないのだ。治っている間に絶景を楽しみたい。

ところで自動車の燃料計の針がかなり左に傾いていた。昨日の昼に満タンにして、さほど長く走ったわけでもないのだが、130キロくらいで走っていると魔法のようにみるみる減っていく。この日の朝、思ったよりも左に寄っている針を見て、気がかりではあったが、50キロ戻らないとスタンドはない。それに、この日は距離は大して走らないから問題ないだろうと思っていた。
が、4WDで細かくギアチェンジしながら走ると減りが早い。どんどん減っていく燃料を見て、心配する家族。ガス欠になることは絶対にないと言う私を信用していない。「もう満喫したから、北の方は行かなくていい」とか言っている。時間も押してきたことだし、では、ということで、この日の夜泊まるHalls Creekへ向かうことにした。Halls Creekまでは100キロほど。燃料が減るからもっとゆっくり走れとか、クーラーを切れとかうるさい娘。燃料入れよの警告灯が点くとさらに不安が増すようで、こんなものはEのラインを振り切ってからもそれなりに走るのだ、まだ目盛り一つ分あるじゃないか、と言っても効果なし。
結局、ほぼメーターがEの線の左寄りにかかったくらいで、目的地に到着。ところがスタンドが閉まっている。5時までなのだ。
軽くパニック的に騒ぐ家族。明日の朝入れればいいんだから問題ないのだが。雑貨屋で掃除していた台湾人の男の子にきくと、少し先にもう一軒あるという。
Shellのマークが見えてきたら、娘が「おぉ...! あそこに見えるのは、おなじみのホタテのマークじゃないか!」と。シェルのマークをホタテと呼ぶ人は初めてだ。

90リットルのタンクに、後10リットル以上は残っているはず、つまり満タンにすると70リットル代で止まるはずだと主張し、入れてみたらば、この数字。ぎりぎりもぎりぎり。信用せんか、父の言葉を。でも、あと40キロ離れていたらあぶなかったかもしれない.....くわばらくわばら。