スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 5日目(最終日)

慌ただしい撮影行もこの日が最終日。本当はあと1日あればという感じではあったが、急に決めたので仕方ない。スラウェシは南東のMuna島にも壁画がある。こちらはもっと年代の下ったもので、大きな馬に人が乗っている絵がたくさんある。ニューギニア西岸にも壁画があることも知った。
この日は夕方5時過ぎの飛行機に乗るため、時間のかかる洞窟には行けない。手近に行ける洞窟もあるが、ほとんど見るべき絵は無いというので、初日に行った最古の年代の出たLeang Timpusengにもう一度行くことにした。初日は時間が無いというので、ちょっと慌てていた。別の撮り方でもう一度撮影してみようかと。
同じ地元の人が待っていてくれた。同じ洞窟に数日開けて二度来る人も初めてだろう。





絵の真下が非常に狭く、また、上に上がると三脚を設置できる場所がない。やはり難しかった。
この洞窟の手形から39900年という年代値が出たことは確かだが、他の数ヶ所の洞窟の絵からも3万5千年くらい前の数値が出ている。いずれも上に乗っている方解石の分析結果なので、どの洞窟の絵が一番古いものなのかはわからない。ここの絵だけを特別に重視してもしかたないのだが。

余った時間、Dodoに頼んでHutan Batuという奇岩の景勝地に行く。少しマダガスカルの針山にも少し似た、鋭くエッジの立った形で風化している石灰岩が並ぶ。
畑の中の奇岩を撮影しようとすると、カポックの実が落ちていた。スラウェシに来たときから、綿毛がたくさん舞っているなと思ってはいたし、ちょうど木の実の本の撮影中だったので、良いものがあれば持って帰りたいと思っていたのだ。思いがけない拾い物だった。昔はカポックの綿をクッションなどの詰め物に使っていたようだが、今はあまり使われていないのだとDodoが。



最後に二日目に行った船着き場で食事をした。ビーフンの入ったチキンスープだ。これが最後のスラウェシ島の食事になった。

慌ただしい日程だったが、同行してくれた人たちがいい人たちで、良い旅だった。アクラムが空港で最後まで見送ってくれた。