キルギスから再びカザフスタンに戻る日が来た。
両国を行き来することになったのは、アルマトイ着発の方がキルギスから帰国するよりずっと航空券が安かったからだ。移動で一日潰れるがしかたない。
一日5便は往路と同じ(あたりまえ)。今度はバスの冷房もきいているかと思いきや、やはりダメだった。どうもこれは壊れているというより、節約のために動かしていない感じがする。
ビシュケクはБишкек、アルマトイはАлматыと、なんとなくキリル文字わからなくてもこれだなと同定できる文字列なので、バスの切符売り場や乗り場は間違えにくい。帰りのバスも満車だった。
カザフスタン再入国に際してはイミグレーションでパスポートのスタンプと別に書類に判を押してもらって、入国した後別の場所でもうひとつ押してもらわないといけないというようなブログを複数見たが、今はそういうことも無いようで、行きも帰りもごく普通の入国手続きだった。
アルマトイに比較的早めの時間に着いたが、外に出る気力はなく、宿で寝る。なかなか風邪が治らない。翌日は夜10時のフライトなので日中フルに使える。市内で音楽博物館や市場を見て歩こうかとも思ったが、もういちどタンバリに行くことにした。足場が不安定なのでここは入らないと言われたエリアにかなり重要な絵があることを後で知ったのだ。前回はガイドがいたので勝手に入るわけにもいかなかったが、一人で行けば問題無いだろう。それと、もう少し良い写真が撮れるか試みたかったのだ。
初日にガイドをしてくれたラクマンに連絡して、誰か空いているドライバーにタンバリに行ってもらって夜空港まで送ってもらいたいと相談。結局初日に運転してくれた人が来ることに。
タンバリに行く前にショッピングモールの薬局に寄ってもらい、Google翻訳で解熱剤と抗菌剤を買う。ひとつはロシア製、もうひとつはイギリスの会社の薬だった。薬はそれほど高くない。買った後、どっちがどっちだったかわからなくなってしまい、Google翻訳にかけてみたが、どうもよくわからず、「怪物」って出る方が抗菌剤に違いないと判断。間違ってはいなかったようだ。
それにしても風邪が治らず。咳が結構でるので、運転手に悪いなとは思ったが仕方ない。こちらはカザフスタンの風邪に慣れてないが、本国の人にとってはおなじみだろう。
この日はずっと私以外誰もいなかった。静かでいい場所だ。やはり前回見られなかった所にかなりいい絵があったので、無理してきてよかった。キルギスの絵も見て戻ってきてあらためて感じたが、タンバリの絵は上手い。
2時間くらい滞在して入口の事務所に戻ると、随分人がいる。
憶えてる?俺だよ、いっしょに写真を撮った、と、おじさんが。博物館の人だった。彼の男の子も来ている。彼らを博物館まで送っていくことになった。男の子にレモン味の咽飴をあげると、すごく嬉しそうにしていたが、口に入れてこっそりとすぐに出した。ちょっとした苦味が馴染めなかったんだろう。
空港に行き、仁川トランジットで帰国。
これほど海外で調子悪くなるのは初めてだ。だが、昨年末のタッシリでも風邪をうつされて3、4日調子悪くなったので、全体に体力が落ちているのかもしれない。
帰国後もこの風邪がなかなか抜けずに苦労した。妻にもうつしてしまって、彼女はそれが引き金になって帯状疱疹まで発症してしまった。医者にも行ったが、普通の風邪のウィルスであったと思われ、どうしてそこまで治りにくかったのか不思議だったが、東京病院の医者に、外国の風邪ウィルスは日本のとちょっと違うものがあるから、そういうのにかかると治りにくいんですよと。なるほど。
今回の失敗はやはりメインの山登りの前にカザフスタンで無理に長時間のツアーを入れて、後ろに座っていた人に風邪をうつされたことだ。大事をとってサイマル・タシュ行きの前はいろいろ予定を入れ過ぎない方がいいかなとも思ったのだが。