カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その12

キルギスから再びカザフスタンに戻る日が来た。 両国を行き来することになったのは、アルマトイ着発の方がキルギスから帰国するよりずっと航空券が安かったからだ。移動で一日潰れるがしかたない。 一日5便は往路と同じ(あたりまえ)。今度はバスの冷房もき…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その11

あいかわらず全く食欲がなかったが、食べないと回復しないだろうから、なんとか朝食をとり、薬局に連れていってもらった。ノドにスプレーする薬を購入。あまり効きそうになかったが。 延々と車を走らせ、夕方6時過ぎにビシュケクの宿に着き、エリカとイスラ…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その10

かなりの時間寝たが、やっぱり具合がよくならない。高山病の症状が出ると、一度は高度を下げなくては治らないというのは本当のようだ。それにしても3100メートルでこんなになるとは。風邪も思った以上にやっかいだった。 馬が来る昼頃まで、再び撮影に出る。…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その9

やはり明け方はかなり冷え込んだ。防寒ズボンを履いて寝袋に入ったが、それでも少し寒い。一晩寝て少しは調子も良くなるかと思ったが、そうはいかず。足に力が入らないので、テントから出るのも簡単じゃない。それと、風邪のせいもあってか、食欲が全くない…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その8

荷物から三日間のキャンプに必要なものだけバッグから出し、少し小さなバッグに移す。テントはこちらで用意してくれるというので寝袋だけ持ってきた。山の上は夏でも零度近くなるようなので、ちょっと私の寝袋だと心もとなく、防寒用のズボンも持参している…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その7

すっきりと晴れた。だが、風邪の調子が思わしくない。 この日は翌日からのサイマル・タシュ行きのため、麓の町カザルマンに向かう。かなりの距離だ。 イシク・クル湖畔に遊牧民のユルトや彼らの道具を展示した私設の博物館があるから見ていこうと寄るが、閉…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その6

宿で朝食をとって出ようとすると、若い男性が「もう行くの? 宿は気に入ってくれた?」と流暢な英語で。とてもセンスの良い、かわいらしい宿だった。 イシク・クルの少し西にあるオルロクの町にある「遊牧民文化センター」に。皮で作った容器の数々が印象的…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その5

朝、ホテルにガイドのエリカが迎えに来た。22歳の女の子。もう一人若い男性がいたが、彼は兄にバトンタッチするまでのドライバーとのこと。これから7日間の個人ツアーが始まる。 Saimallu Tashに上がるツアーは昨年連絡したツアー会社があったのだが、今年は…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その4

この日は隣国キルギスにバスで移動する。計画をたてていたとき、周遊の航空券はなかなか安くならないし、時間のロスも多く、この方法がでキルギスに渡って、カザフに戻って帰国するのが一番経済的だったので。 ネットにバス移動した人の旅行記が複数あり、細…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その3

カザフスタン実質二日目。この日をどうするかかなり迷ったが、アマルトイの東部の山岳地帯の中の湖を訪れるツアーに参加することにした。早朝から夜遅くまでかかるので、けっこうしんどいのではないか、キルギスで山に上がる前にあまり消耗するようなツアー…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その2

この日はアルマトイの北西約170キロの場所にある、ペトログリフの集積地、Tanbalyに行く。事前に英語のガイドを依頼しておいた。ペトログリフは陽の当たり具合で見え方が大きく異なるので、朝早く出発して、丸一日の契約をした。車だけ手配して行けば安く上…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その1

成田空港からアシアナ航空で、仁川乗り換えでカザフスタンのアルマトイへ。中国の航空会社が最も安値だったが、行きは中国でのトランジットが24時間になっていて、それはあまりに時間がもったいないし、疲弊しそうだったので。 アルマトイ着は夜9時頃。カザ…

カザフスタン・キルギス壁画撮影行 その0

明日からカザフスタン、キルギスに壁画の撮影を主な目的とする2週間の旅に出る。先ずアシアナ航空で仁川で乗り換え、カザフスタンのアルマトイに。Tanbaly Tasのペトログリフサイトを見に行く。二日後、バスで国境を越えてキルギスへ。ビシュケクから個人ツ…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 13日目

最終日。 アンドラス夫妻と朝ホテルで別れた。 トラムに乗ってボルドーの博物館、アキテーヌ博物館に。 有名な旧石器時代のビーナス像「ローセルのビーナス」を見に来たのだが、入ったところにあった。思った以上に大きく、上半身は平板で、簡単に仕上げられ…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 12日目

今日はラスコー見学。 とは言ってもラスコーは壁画保護のためもう一般公開はされていない。ラスコーのレプリカに入るのだ。 ラスコーは1940年に発見された。モンティニャック村の18歳の青年マルセル・ラヴィダが飼い犬のロボットと散歩中、ロボットが地面の…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 11日目

この日はレ・ゼイジーの町近辺の洞窟をいくつか回る。 先ず、コンバレル洞窟へ。ここはマドレーヌ文化の刻画が集中している。600を超える刻画は動物がほとんどで、前日見た家形のシンボル、テクトフォルムもある。最も印象的なのは入り口の看板にも使われて…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 10日目

この日は盛りだくさんの予定だ。 先ず、ペッシュ・メルルPech Merleの洞窟へ。ここは今回の旅でもっとも楽しみにしていた場所だ。ほとんどの絵は約29000年から28000年前、グラヴェット文化の時代のものとされている。約10000年前に入り口が崩れて埋まってし…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 9日目

この日は東へ移動し、ピレネー山脈のふもとにあるニオー洞窟の壁画を見ることになっていたが、午後3時からなので時間がある。それまでどうしようとなって、アンドラ公国に入ってみようかとアンドラスが。アンドラ? 名前は聞いたことあったような気もするが…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 8日目

朝食は割高だろうということで、宿は朝食なしで予約していた。部屋で持参したもの(Soy Joyとか...)や買ったパンなどを食べるのだが、アンドラス夫妻は朝食は普段もほとんどとらないと。そして、二人は昼ご飯も食べない。どうなってるんだろうか。ずっと移…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 7日目

朝早く発って南西のVallon-Pont-d'Arc近くにあるショーヴェ洞窟のレプリカ、ショーヴェ2に。 ショーヴェ洞窟の壁画は1994年、洞窟学者のショーヴェら3人が発見した。犬が穴に落ち込むことで偶然みつけたラスコーなどと違って、石灰岩の山の上で洞窟探査をし…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 6日目

朝早くリヨン駅まで行き、電車で南へ向かう。フォンテーヌブロー・アヴォン駅で英さん、アンドラス夫妻にピックアップしてもらって、AARSのフォンテーヌブローの森の線刻画を見るツアーに参加させてもらうためだ。フランスの駅は駅員が本当に少ない。リヨン…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 5日目

パリ二日目。 朝起きてルーブルのサイトを見たが、やはりチケットの空きはなかった。ほぼあきらめていたが、ネットをあれこれ見ていたら、ルーブルの予約チケットは当日の朝10時に更新されて少し出るので要チェックとあった。確かに、10時直前に合わせて見て…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 4日目

パリで2日とっていた。まずちょうど「先史時代マニア」という企画展示が行われている「人間博物館Musée de l'Homme」に。地下鉄網がややこしいが、Google Mapで現在地からの経路表示をすると乗り換え駅も含めて詳細に表示されるので迷うことはない。地下鉄は…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 3日目

港に8時半くらいに行かねばならないので、朝食は簡単でいいですと話したのだが、全然構わないと、朝早くから用意してくれた。「こんなのを買ってみたよ」と主人が。瓶にキムチと書いてある。これがキャベツとニンジンの酢漬けに少し唐辛子が入ったような感じ…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 2日目

この旅では、ブルターニュの新石器時代の遺跡を見るために2日とっていた。 朝早くナント駅近くのレンタカー、Enterpriseに。Booking.comで予約済みだったのだが、事務所に行くと、えーと、該当する車が無いんですよ、と。無いってあんた、何のための予約なの…

フランス・巨石遺跡&洞窟壁画紀行 1日目

夏まではおとなしくしている予定だったが、一昨年・昨年とサハラの壁画見学行でもご一緒している英隆行さんに誘われ、フランス南部の洞窟壁画を見て回ることになった。 ちょうどフランスのAARS(Association des Amis de l'Art Rupestre Saharien=サハラの…

インド 地上絵・壁画撮影行 その9

朝早く宿を出て、デリーに飛ぶ。デリーを夜に出る便で日本に帰るのだが、半日時間があるので、デリー観光をすることに。ネットで大きな荷物を預かってくれる場所を知ったので、スーツケースを預け、地下鉄に乗った。地下鉄に乗るにはX線による荷物検査がある…

インド 地上絵・壁画撮影行 その8

今日はボパール市街から南へ下って、先史時代の壁画の残るビームベトカーに向かう。 朝早くホテルのフロントに降りると、例によって従業員が何人も毛布にくるまって床にゴロゴロ寝ている。この様子、なかなか慣れない。 ホテルにタクシーを呼んでもらうこと…

インド 地上絵・壁画撮影行 その7

朝早い便でムンバイからボパールへ。 ボパールという町の名は1984年の化学工場の事故の報道で知った。史上最悪の産業災害で、死者は3000とも8000とも言われ、実数もきちんと把握されていないようだ。後遺症に苦しんでいる人の数は遥かに多いという。40年経過…

インド 地上絵・壁画撮影行 その6

マルヴァンの宿はなかなか気分が良かった。海岸は気持ちいい。 この日は夕方4時頃にムンバイ行きの飛行機に乗るので、2時くらいまでは時間がある。できれば目一杯地上絵のサイトを巡りたかったのだが、行けそうな所は回ってしまったので、どうしようか。 町…