2018-01-01から1年間の記事一覧

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その11(最終日)

現地滞在10日以上という、私にとって最近では長めの旅行もこの日で最後。海外に自分でテントを持っていくのも、1週間以上キャンプするのも初めてで、新鮮な経験だったが、あっという間だった。 昨夜は久しぶりにシャワーも浴びて、すっきりして寝た。砂漠は…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その10

キャンプを出て、舗装道路に戻る。1週間滞在したTadrartから離れることになった。 道路に戻ったが、初日にキャンプしたTin Aressouの15キロほど東で再びオフロードに入り、南へ向かう。Tadrartは奇岩地帯だったが、この付近には限りなく平坦な風景がある。 …

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その9

夜明け前に星空の撮影をした。着いたときはとても細い月だったが、今はちょうど半月くらいで夜遅くまで月が出ているため、月が沈んだ後でないと小さな星は見えない。 Oued In Djeraneへ戻る途中、いくつかのサイトを見る。有名なアーチ状の岩も見た。ここは…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その8

砂漠で1週間も過ぎると一日がはやく感じられる。あまりに淡々としているからか。さっきテントを畳んだと思ったら、もう設営、また解体、また設営....そんな印象だ。 アンドラスとロバートはテントは面倒だからと気温の高い日は地面にマットを敷いてその上に…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その7

昨夜とうってかわってすっきりと晴れた。朝、変化をつけるためガチガチのパンにはちみつとチーズを塗ってみた。悪くない。 ところで昨日からやたらとハエがたくさんつきまとっている。これは自分、相当ハエが好むような臭いを放っているのでは、なんせ5日もT…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その6

夜、砂丘と満点の星空という情景を期待したが、珍しく初めての全面曇天。日中の天候も心配されたが、すっきり晴れた。 明け方は5度(エレーナが温度計を持っていて教えてくれる)。かなり冷える朝だった。さらに北へ進み、Tadrartを横断する二番目に大きな谷…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その5

朝食をとった後、昨日岩山の上のサイトに行かなかったロバートとヨナスは岩山の上へ、私とアンドラスは彼らが昨日見つけられなかった近くの岩山にあるはずのサイトを探索に。 なかなかわからなかったが、岩の表面に彫られた絵をみつける。彫り物は光線の具合…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その4

朝、日の出前に車に乗り、昨日の夕方訪れた牛の線刻画のあるMarka Ouandiに向かう。朝日がいい具合に絵にあたるのではと期待したが、日の出の方角は全く期待外れだった。絵の彫ってある岩山は大きく、完全に日差しが遮られている。もう2ヵ月ほど早い時期に訪…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その3

日の出は6時半くらいだ。朝は寒く、ダウンジャケットを着る日も少なくなかった。 朝食はコーヒー、紅茶などに、バゲット、ジャムやはちみつ、チーズなど。 朝食を済ませると、昨夕訪れた岩絵のあるシェルターに再び上がる。光線の具合で昨日はよく見えていた…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その2

現地の旅行会社Essendileneの宿泊所で9時頃朝食。こちらの家屋は分厚く高い壁に囲まれ、扉は堅牢な金属製のドアがきっちり施錠されている。窓は外側にはほとんどない。 昨夜は暗くてよく見えなかったが、すぐ近くにモニュメントバレーの孤丘=ビュートのよう…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その1

エミレーツ、ドバイ経由でアルジェに昼の12時過ぎに着く。イミグレーションで長蛇の列になった。入国カードがフランス語表記のみで、書き込み欄もものすごく小さい。これはビザの申請書も同じで、滞在先の住所などとても書き切れないほど欄が小さい。アルジ…

アルジェリア、タッシリ・ナジェール行き

明日から、アルジェリアのサハラ砂漠、タッシリ・ナジェールに岩絵の撮影に行ってきます。タッシリ・ナジェールはサハラ砂漠が氷河期の終わりにサバンナだった頃の動物や人間を描いた絵が豊富に残る場所です。風化した奇岩が連なる独特な景観でも知られてい…

スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 5日目(最終日)

慌ただしい撮影行もこの日が最終日。本当はあと1日あればという感じではあったが、急に決めたので仕方ない。スラウェシは南東のMuna島にも壁画がある。こちらはもっと年代の下ったもので、大きな馬に人が乗っている絵がたくさんある。ニューギニア西岸にも壁…

スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 4日目

朝早く起きる。テーブルにはキャッサバを油で揚げたものが盛ってあり、コーヒーと紅茶が。朝揚げたイモをコーヒーで食べるのか、マクドナルドみたいじゃない。ホクホクしていておいしいが、やはり二日酔いが気持ち悪くてあまり食べられない。それにこちらの…

スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 3日目

この日はMaros地方から北東のBone地方に移動する。Uhallieという洞窟に行くためだ。この洞窟の絵はナショナル・ジオグラフィックに掲載されたもので、状態の良いアノアの絵が素晴らしく、アクセスが大変だが、是非見たかった。 目当てのLangi村まで車で5時間…

スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 2日目

今日はMaros地方(sub district)から出て、Pangkep地方の洞窟へ向かうことになっているが、その前にガイドのDodoが勧めるRamang Ramangに。ボートで水路を進み、小さな村に行く。石灰岩のもっこりした岩山が連なって水面に写る、ミニ桂林のような景色だ。マ…

スラウェシ島・洞窟壁画撮影行 1日目

一昨年に続き、インドネシアのスラウェシ島を訪れた。一昨年は中部のBada谷周辺の石像、タナ・トラジャ地方の埋葬文化・巨石の撮影に行ったのだが、今回はスラウェシ島南部に数多く残る現生人類で最も古い年代の洞窟壁画の撮影が目的だ。2014年、スラウェシ…

時計荘さんとの合同企画展「石が描く 石と描く」

池袋・三省堂書店4Fのナチュラルヒストリエで、鉱物オブジェ作家・時計荘さんとの合同展「石が描く、石と描く」を開催中です。私は私蔵の瑪瑙やジャスパーなどの模様石を展示しています。是非ご覧ください。6月末まで。瑪瑙や風景石の販売もあります。

『奇岩の世界』刊行記念トーク・イベントのお知らせ

2月に創元社から刊行された『奇岩の世界』のトーク・イベントを、4月13日(金)、東京、西荻窪の「旅の本屋のまど」で開催することになりました。『奇岩の世界』で紹介している岩の写真などを写しながら、私がこれまでどんな旅をしてきたか、「奇岩」にはど…

アルゼンチン岩絵撮影行その7

昨夜12時くらいまでにフェイスブックのメッセージで今日どうしたいか決めてくれと言われていたが、クラフトビールを飲んで寝てしまった。すんません。 朝、「君にぴったりの案を考えたよ」とクラウディオが。 Cueva de las Manosのエリアに戻り、谷をトレッ…

アルゼンチン岩絵撮影行その6

いろいろあったLago Posadasを出て、北に向かう。西にアンデス山脈、東側はMonte Zeballosなどの山々が続く。チリとの国境はすぐ近くだ。 火山活動が生んだ岩峰と火山灰などの堆積物による地形が相まって、独特な景観を造り出している。 Monte Zeballosは玄…

アルゼンチン岩絵撮影行その5

今日からクラウディオと共にさらにマイナーなエリアに入る。まず40号線をひたすら南下する。平坦なステップの平原をまっすぐな道が続く。「グアナコ飛び出し注意」の道路標識がおかしい。グアナコがはねられている所は見なかったが、ウサギはたくさん轢かれ…

アルゼンチン岩絵撮影行その4

今日も朝4時過ぎに目が覚めた。アルゼンチンの朝食は質素だ。ブラジルと比べると食文化が全く違うことがわかる。ブラジルのホテルはずらっと料理が並んでいた。パンも、トーストから甘いものまで数種類あったし、マニオックも必ず出ていた。ここはトーストと…

アルゼンチン岩絵撮影行その3

朝4時台に目が覚め、その後なかなか眠れなかったため、暗闇の中で延々と時間をもてあますことになった。電気がないので本も読めない。東京と時差は12時間。真裏だ。 夜は9時過ぎまで明るいのに、日の出は7時くらいというのが、ちょっとバランスがおかしい。…

アルゼンチン岩絵撮影行その2

朝8時20分の飛行機で2時間強かけて大西洋岸の地方都市コモドーロ・リバダビアに。チュブ州の最南の都市だ。 空港にクラウディオが迎えにきていた。ペリート・モレーノという小さな町にあるツアー会社のオーナーで、彼とメールやFacebookでやりとりしてきた…

アルゼンチン岩絵撮影行その1

アルゼンチン、パタゴニアのサンタクルス州にある約9000年前の岩絵サイト、Cueva de las Manos=手のひらの洞窟とその周辺を巡る旅に出た。2月10日、成田を午後7時過ぎに出発して、ニューヨーク経由でブエノスアイレスに翌午前11時頃着く。ニューヨークまで…

アルゼンチン岩絵撮影行

明日からアルゼンチン、サンタクルス州に約8000年前まで遡る先住民の岩絵を撮影に行く。Cueva de las Manos(手のひらの洞窟)と呼ばれる、無数の手形が押されている半洞窟。ユネスコの世界遺産にも登録されているが、非常に行きにくい場所にあるため、訪れ…