矢川緑地/Grimms

lithos2006-08-12

日曜に姉夫婦と子どもを連れて、立川市の矢川に。立川段丘の崖下から湧きだし、南武線矢川駅の南を通り、甲州街道を横断して、最後は府中用水の支流と合流する川だという。緑地が保護されているエリアがあるが、水が冷たく澄んでいて、驚いたことにカワラトンボがたくさん飛んでいた。久しぶりに見た。濃紺の羽のはばたいて飛ぶトンボだ。体は玉虫色だった。子どもは大喜びで水遊びをしていたが、緑の多い、気持ちの良い場所だった。大人も皆、さぶさぶと入り、しばしひんやりと涼む。子どもの頃、同じく南武線谷保駅の南側の小川でザリガニを取ったことを思い出した。

Grimmsという70年代のイギリスのバンドの「Sleepers」というアルバムを買った。紙ジャケで初CD化だそうだ。これが、なかなかの名盤だった。このアルバムは三枚目にしてラスト・アルバムらしいが、二枚目まではポール・マッカートニーの弟のマイク・マクギアが参加していた。私が買ったのは、元ボンゾ・ドッグ・バンド、後にラットルズのニース・イネスが入っているというからだった。ボンゾ・ドッグ・バンドはモンティ・パイソンとも関わりが深いことで知られるが、このアルバムも、大いにモンティ・パイソン的だった。先ず、メンバー全員で並んで線路の上に寝ているジャケットからしてバカなのだが、アニマルズの「朝日のあたる家」のパロディーでバカさが全開に。重々しく「ライジング・サンという名の建物が、ニューオリンズにあるんだ」というイントロは同じなのだが、「仕事が終わると、毎晩そこに寄るんだ。かわいい女がたくさんいるから。あんたもきっとそう思うよ、だから、ズボンを脱いで、ついてきてよ!」となり、あとはひたすら下品な乱痴気騒ぎ。詩をみると、全体にモンティ・パイソンのコントそのまんまという感じだ。大笑いしたのは、ラルフ・マクテルの「Streets of London」のパロディーだった。「寂しいなんて言わないで、僕が手をひいてロンドンの街をいっしょに歩いてあげるよ。あなたの気持ちが変わるようなものを見せてあげる。」という原曲にたいし、「まばたきすると見逃しちゃうような町だから、しっかり見ておこう。本当に何にも無いところで自慢はやたらに長い町の名だけなんだ。きみがこんな変なところに住んでいて、実は他に引っ越したいたいと思っているなんて、なかなか口に出せないよね。さ、僕が手をひいてこの町をいっしょに通り抜けてあげる、この町の名は、ええと..(以下、ウェ−ルズ語のやたらと長い町の名を読むが、つっかかって最後まで読めない)」という、ウェールズの田舎町をおちょくった内容だ。曲がどれも実によくできている。それにしても、ニール・イネスという人が書く詩はブラックとか辛辣というのではなく、どこかヒンヤリとするものがある。

スリーパーズ