インド 地上絵・壁画撮影行 その6

マルヴァンの宿はなかなか気分が良かった。海岸は気持ちいい。

この日は夕方4時頃にムンバイ行きの飛行機に乗るので、2時くらいまでは時間がある。できれば目一杯地上絵のサイトを巡りたかったのだが、行けそうな所は回ってしまったので、どうしようか。

町をぶらぶらしてもよかったのだが、ジテンドラとどこで待ち合わせるとか決めてからでないと難しく、それもちょっと面倒だ。マルヴァン沖には17世紀のマラーター王国時代に作られた要塞島シンドゥドゥルグがあり、観光名所になっているので、渡ってみることにした。

 

 

島の外周が高い城壁できっちり囲まれている。城壁の上をずっと歩いていけるのだが、400年以上経っても堅牢で、ほとんど崩れているところが無い。高所恐怖症でもあるし、城壁以外には特に見どころはないので、ある程度歩いて帰った。

船着き場の近くの土産物屋では貝殻を使った飾り物などが売られていて、タカラガイもある。そういえば、ラグナートくんに、タカラガイを探してるんだと何の気なしに言ったことがちゃんと(?)センターに伝わっていて、寺に行けばあると思うと。それはお備えなのでは? ラグナートくんはあらゆる情報を逐一報告していたようで、「カメラを壊しちゃって...」と言うと、センターの皆が、うん、もちろんそれについても聞いてると。恥ずかし。

 

 

海岸をまた少し散歩した。タカラガイはやはりみつからなかったが、ナミマガシワが落ちていた。

 

 

空港に行き、ジテンドラと別れた。彼はこれからプーネに戻らなくてはならないという。8時間以上かかるに違いない。きっとクラクションを鳴らしつづけて走るのだろう。

ムンバイ行きの飛行機は結局出発が2時間くらい遅れた。小さな空港で店も無いので、何もすることがない。ムンバイに着いたら少し町中を散歩しようかと思っていたが、これは到底無理だろう。

今回、ムンバイに住んでいる石屋さんに連絡してアドバイスをもらっていた。日本のミネラルショーにも来る馴染みの石屋で、時間があったら是非ご飯でもいっしょに食べましょうと誘ってくれていたのだが、夜遅くに着いてしまったので、それも無理だった。あまりに慌ただしい旅で、もうちょっとインドらしいところを見たかったが、仕方ない。

町に出て酒屋かビールが飲める場所がないか探す。「靴を磨かせてほしい」と若い男がついてきた。見てのとおりスニーカーだから、というと、では、いくらかもらえないかと。大勢の人が歩道に毛布にくるまって寝ていた。

「レストラン&バー」と書いてある店に入る。バーと書いてあったが、きちんとテーブルクロスがかけてあるテーブル席だけの、高そうなレストランだった。ビールとつまみだけ頼んだが、何か食べませんかと。「カニはどうです?」と。なにかと「食べないんですか?」と言われる旅だった。人気のある店らしく待っている人もいたので、早々に店を出た。これでインド西岸は終わり。明日朝早く中部のボパールに飛ぶ。