1号機の圧力容器にはほとんど水が入っていなかった、燃料は溶けて下に落ち、固まっているという。しかも圧力容器には穴が空いていて、一部の燃料が格納容器にこぼれ落ちているかもしれない、さらに格納容器も、「水棺」作戦が上手くいかないところをみると、破損している可能性があると。もう、無茶苦茶な状態だが、かなり前にこうした見方をしていた人は少なくない。溶けた燃料がどのあたりに固まっているかで、爆発や再臨界反応の怖れが指摘されていた。圧力容器の下なのか、炉心部分なのか、炉心部分に固まったものが下に落ち、水と一気に反応すると水蒸気爆発が起きる危険があると言う人もいたが、その可能性はまだあるのだろうか。
とりあえず、温度がある程度以上上がっていないところをみると、再臨界は起きていないということだろうか。それはある意味、大変な幸運と言えるのかもしれない。
いずれにしても、事態収拾の展望は全く見えない。延々と放射性物質がだだ漏れになり、燃料はそのまま手がつけられないという状況が続く可能性が高い。3号機から高濃度の汚染水が漏れているというが、メガフロートなどの準備もまだ出来ていない。

浜岡が止まることになり、中部電力の社長はなんとなく憮然としているが、とんでもない。震災と電源喪失などの危険性を指摘する声を無視しつづけてきたということに対して、大いに反省し、判断がいい加減だったことをきちんと詫びるべきだ。この人は震災後早々に、静岡県に再稼働の了解を得ようとしていた。「いずれきちんと津波対策をするから」という言質だけで、認めてもらえるだろう、という程度の認識だったのだ。神経を疑う。
電力不足が経済に与える悪影響に対して、どう責任をとるのかと、偉そうに言う向きがあるが、電力不足は直接的に人を殺すこともなければ、農作物や海産物を食えなくすることもない。