常田富士男「私のビートルズ」

「Japanese Rockin' Psyche&Punk "65-71 コロンビア編 サイケデリック・マン」(長い)というCDを買ってみた。「昭和元禄 トーキョー・ガレージ」というレコード会社横断の企画で、アマゾンなどでも評価が高かったので、とりあえず一つ聞いてみようかと。全体に大したことはないなあというのが率直な印象だった。ジャックスの「マリアンヌ」と「いい娘だね」が入っているが、やっぱり妄想度の深さにおいて他の曲とは比較にならないなと、改めて思ったのだが、1曲、とんでもない曲が入っていた。俳優の常田富士男の「私のビートルズ」だ。この曲、昔ラジオで聞いたことがあったが、誰の何という曲なのかわからず、ずっと気になっていた。ファジーなギターにハモンドが絡み、「ハゲ山のハゲ鷹が、私を少し噛ったからハッシッシ、ハッシッシ、ハッシッシをあげたのさ〜。夢見る旅〜」「バラの花をベッドに敷き詰めて〜、ジョンとポールが愛しあっている〜」。これは「ゲバゲバ90分」か何かで生まれた曲なんだろうか。あの声で歌われると、えもいわれぬイカサマ感というか、「あの世」感というか....良い。ますむらひろしが『ガロ』に描いていた時代の漫画に出てくるビートルズのような感じもある。ヨーコは便器にまたがって空を飛んでいるらしい。