ガスター10と20/LOST

またしても胃の具合が悪くなってきた。『巨石』の校了後、それなりに落ち着いていたのだが、ビールが沁みるのが辛い。ちょうど義母の往診に来てくれていた医者に「胃の具合が悪くて」と言うと、「どんな薬飲んでるんですか?」というので、「『ガスター10』というやつです。でも、あまり効かない感じです」
「そういうときは『ガスター20』を飲むんですよ」
「えっ? 20というのがあるんですか?」
「いや、10を二倍飲むんです」
って、ちょっと? 「ガスター10」って、一日二回以上飲むな、とか、数日飲んでも効かないようだったら飲むのを止めて医者に行け、と書いてあるんだけど。二倍なんてそんな乱暴な。


『LOST』というアメリカのテレビドラマを見始めたら、止まらなくなってしまった。アメリカで大ヒットしたシリーズなのだそうだ。もともと、どんなにつまらないドラマでも一度見始めると途中で止めにくくなってしまうという特技がある。昼飯を食べながら、たまたま始まった二時間ドラマなどをチラっと見始めて、くだらないなぁ、と思いつつ、テレビの前から去り難くなってしまうのだ。「暴れん坊将軍」とかでもOKなのだから、損な性分としか言いようがない。『LOST』は昨年の夏に巨石の取材旅行にイギリスに行った際、民宿のテレビで何度か観た。なんだか面白そうだなと思ったのが失敗のもとで、日本でレンタルが始まったら、つい観てしまったのだ。
どこかわからない南の島に飛行機が墜落する。40人強の乗客が生き残るが、救助も来ないし、外部と通信する手段もない。しかも、島は単なる熱帯の無人島ではなく、姿の見えない巨大な化け物やら、16年も前に遭難してそのままになっている人やら、謎めいた装置などがあり、その飛行機に乗り合わせたのも、墜落事故も、生き残ったのも、何か大きな力によって仕組まれたものではないか、というような、謎解きアドベンチャーみたいな話なのだが、全体にゲームみたいな作りなのだ。食料も尽きているのに、なぜかみんなブラブラしていたり、髪の毛やヒゲがずっと同じ調子で整えられていたり、着てる服もこざっぱりしてたり、全然リアリティーがないのだが、どうにも止められなくなってしまった。
それにしてもあまりに突飛な展開になりつつあるので、最後にどういう説明を与えられても納得できないのではないかという感じがする。「いい加減な終わらせ方は許さんぞ」などと言いつつ、昨夜も隣町のビデオ屋まで車で借りに行き、3時過ぎまで観てしまった。決して暇なわけではないんだけれど。