今日は一日気分が悪かった。すぐ近くの雑木林でいきなり伐採が始まったためだ。あっという間に数十本のクヌギなどが切り倒されてしまった。以前、ここでも紹介した(スズメバチを捕獲したカマキリのいた木)この林で唯一樹液が出ていてカブトムシが採れた木もあっさり根元から切られていた。東京都の土地だ。近くに都のハンセン病の施設「全生園」があり、都の所有地が多いのだ。
3年ほど前に、私有地だったが、家のすぐ前のケヤキを植えた一角があっという間に伐採されて無惨な姿になってしまった。落ち葉が舞い込むというので、市に苦情を言った人がいたようで、市が地主に依頼したようだ。太い、立派なケヤキが10本以上、根から2メートルほどのところで切られて、なんとも痛々しい姿のままになっている。しかも、新しい枝が生えると、それも定期的に切り落としている。ケヤキが植わっていた一角の隣は市の保有林なので、ケヤキを切ったところで落ち葉の量などは大して変わらないのだが。最近は神社や農家に落ち葉や土ぼこりの苦情を言う人なども少なくないそうだ。
そこにもってきて、今度は別の林でも切り始めたので、雑木林を切っている造園業者に「これは何故切っているのか」と問いただしたところ、「さあ、苦情じゃないですか」とのこと。「萌芽」というような看板を出していたので、「切った後に何か手当するの?」と聞くと、チェーンソーを持ったあんちゃんが「いえ、別に何もしません」と。管理している都の部署に電話をかけた。すると、これは成長しすぎた雑木林を若返らせる、伝統的な手法だという。根元から伐採して、株から新しい芽が出るのを待のだという。苗木を植えるよりも容易で、落葉樹の林を維持するには合理的な手法だと、「あと30年もすれば元の通りの林に戻りますからご心配なく」という。自分が30年後に生きているとも思えないのだが.......。確かに雑木林を若返らせる方法として、一度根こそぎ切ってしまうという手法はあるようだが、緑地が非常に少ない時代に、近くに林がある環境を選んで越してきた人もいるのだから、少なくとも事前に通知するくらいはすべきだろうと言うと、それはすみませんでした、以後気をつけます、と。それに、何故この林だけ、しかも人家に隣接した部分だけ切っているのかと聞くと、それは、やはり苦情があったからという...。なんとも釈然としない。