大きな瑪瑙の屏風の値段

住宅のリフォーム業者から、工事中に壊れてしまった瑪瑙の飾り石に関して問い合わせを受けた。写真を見ると、幅が1メートル以上もある大きな瑪瑙の板が割れている。台座に立てて、屏風のようにして飾っていたものらしい。大きな石塊から切り出したもので、なかなか見られないほど大きなものだ。模様を見ても産地がわからないのだが、脈状に出来た瑪瑙で、もしかするとパキスタンのオニキスの上物かもしれない。パキスタンでは薄黄色っぽいオニキスが大量に採れて、いろいろなものに加工されている。大きな壺などもよくある。が、いかんせん、模様がおおざっぱなので、瑪瑙好きの人たちの関心は低い。
同じものが手に入るか、どのくらいの価値があるものなのか、残った断片を宝飾の原石にしたら、どのくらいの価値があるかというような問い合わせだったが、いかんせん、そのような巨大なインテリアとしての石材に関して、ほとんど関わりがないので、よくわからなかった。そうしたものは資産家相手に作られる特別なものなので、おそらくかなり高額で取引されたものだと思う。場合によっては100万を超えているかもしれないが、かといって、所詮、半貴石の瑪瑙であるからして、二次的な価格は限りなく低くなる可能性もある。大柄な石なので、細かくしてしまって、宝飾の材料にしたら、ほとんど価値もないだろう。特別な客にむけてつくられた、滅多につくられない(別の言い方をすれば欲しい人が非常に少ない)ものなので、ある意味、値段はつけたいだけつけられるようなものだ。おそらく、景気がいいときは地方の豪邸に住んでいたりする資産家相手に、飾り石がかなりの高額で売られた時代があるんではないだろうか。オークションなどでも、ときどき、大きな飾り石を「元は100万以上で売られていたものです」というような説明で、数万で売りに出していたりするのだ。