再びオーストラリア取材旅行

TBSラジオをお聞きくださった方々、ありがとうございました。意外な人から聴いたよと連絡いただきました。

さて、今週末から再びオーストラリアに行ってきます。家族旅行ですが、仕事につながることになったので、取材旅行でもあります。
今回はオーストラリア北西部のキンバリー=Kimberley地方です。オーストラリアで、最も手付かずの自然環境が残る地域で、一昨年、ロンリー・プラネットで、世界で最も訪れたい場所第二位に選ばれたことでも知られています。
特に北部は舗装道路も無い、アクセスの大変な地域で、今回はほぼ4WDでラフロードを走り、数日キャンプという旅です。キャンプと聞いて今ひとつ気乗りがしていない家族ですが、なんとかつきあってもらうことになりました.トランクに米や餅を詰め込んだところです。

キンバリー地方は深い渓谷、堆積岩が独特の侵食を受けて作られた奇景などで知られていますが、岩絵に関しては、オーストラリアで最も古いと考えられている、Bradshawタイプと呼ばれる岩絵群があります。
これはオーストラリアの他の岩絵と全く趣の違う、様々な装身具を身にまとった洗練された筆致の人物画が中心で、不思議なことにオーストラリアには一度も生息していなかった鹿の行列なども描かれています。遠洋に出られるような構造の船に乗っている絵もあります。年代は確実なもので、18000年以上前という数値が出ていますが、本格的な学術的な調査はあまりまだされておらず、もっと古い、オーストラリアに人間が移住してきた4-5万年前ほどにも遡るのではないかという人もいます。いずれにしても,人類最古の,「人物画」であることは確実です。ラスコーや,ショーヴェなど,ヨーロッパの紀元前2-3万年前の壁画群は,全て動物画と抽象的な模様に限られているからです。

道路も無い広大な地域に点在しているため、見られるものはわずかですが、この絵の撮影を主目的に、約2週間行ってきます。
ネットがつながる環境ではないので、報告はまとめてする予定です。