オーストラリア・キンバリー旅行9日目

Drysdale Stationを朝発ち、Gibb River Road に戻る。
出発前、同じDrysdale Stationのキャビンに泊まっていた60歳くらいのバイカーが近づいてきて、「あんた、どっちに行く?」と聞かれた。「南へ戻るんだけど」と答えると、「これを運んでくれないか」と、キャンバス地の大きな袋をひとつ差し出した。「落としておいてくれたら、後で拾うから」と。
夫婦で二人乗り、おまけに粗いデコボコ道なので少しでも軽くしたいようだ。この歳でタンデムでオフロードというのはなかなか日本では見かけない。希望通り、Gibb River Roadとの合流点の休憩所のトイレの横まで運んでおいた。

さらに東へ行く。
Gibb River Roadも残り僅かだが、終点に近くなってきた頃、大きな川を越えるポイントがあった。深さもある。この川は雨期が終わってもなかなか渡れないのではないだろうか。


事故で路傍に放置された車がいくつもある。タイヤは全て外されている。せめてタイヤだけでも再利用しようということだろう。フロントガラスが割れ、荷物が散乱している事故現場もあった。カーブを周りきれずに飛び出したのだろう。Gibb River RoadをBroome方面から来た人にとってはそろそろ終点ということで、緊張が緩みやすいエリアなのかもしれない。いずれにしても、なんとかGibb River Roadを大きなトラブル無く乗り切った。


Gibb River Road 終点から北へ上がり、海沿いの町Wyndham方面へ。舗装道路がいかに走りやすいか実感する。Wyndham手前に湿地帯があり、水鳥が集まる池があるが、その近くのParry Creek Farmというロッジに泊まった。これがなかなか良くできたロッジで高床式の部屋と敷地内の池の周囲に巡らされている空中回廊がつながっている。鳥を見るにはいい構造だ。宿泊客も鳥好きの人が多いようで、高倍率の一眼鏡と明るい大きな望遠レンズを付けたカメラと、フル装備のドイツ人家族がいた。部屋のすぐ前にビー・イーターのつがいがいた。メタリックカラーの美しい鳥だ。

ここはカラフルなゴールデン・フィンチが見られることでも有名なようだ。絶滅危惧種なのだが、娘が一度見てみたいとかねてから言っていたので、宿のウェブサイトに写真が載っているのを見て、ここを予約した。値段も比較的リーズナブルで皆気に入り、予定を変えて連泊することにしたのだが、入り口にこの施設全体が「for sale」とあった。いったいいくらくらいなのか興味があったが、結局聞きそびれてしまった。敷地内にはワラビーもたくさん跳ねている。