バルドゥング・グリーンの本

amazon.comから昨年末に北方ルネサンスの画家ハンス・バルドゥング・グリーンの画集を買った。仕事に必要だったこともあり、急いでいたので、本国から直接買った方が早く届くように思ったのだ。時々CDや本をアメリカやイギリスのアマゾンで買う。その方が安かったり、日本のアマゾンでは売っていないCDも多々ある。届いた大判の画集の折り込みページが折れていて、絵柄にも折りじわがついていたので、返品交換を求めたところ、なんと、今日二冊同時に新しい本が届いた。海外での購入の場合、返品の必要もないので、都合三冊手元にある。どうも、代替商品を発送するにあたって、最初に間違えて無料扱いで発送してしまったらしい。もちろん代替品なので無料なのだが、それだと税関で止まったりする可能性があるとかで、海外への代替品の発送は一度新しく請求して、さらにその後返金するというシステムをとっているらしい。間違って0円という経理処理で発送してしまった後、即座に新しく有料の代替品の処理をしたために、三冊届いたのだ。しかも、返金処理の金額が5ドル高くなっていた。これはどうも単純ミスのように見える。つまり、全体でいうと、表示価格よりも5ドル低い金額で、一冊の傷本と、二冊の新本を受け取ったことになるわけだ。なんだかおかしいけれど、巨大書店にとってこれほどのことは全く気にする必要もないことなのだろう。
ハンス・バルドゥング・グリーンはデューラーの工房出身の画家で、魔女や「死と乙女」などをテーマにした絵を多数残したことで知られる。今回買った本は「魔女の肉欲と人の堕落」というテーマで、画家の魔女の絵を網羅したものになっている。有名な魔女の絵というと、ゴヤが描いた面妖な老婆たちなど、黒っぽい衣服、頭巾、帽子などを纏った姿を連想するが、この人が描く魔女はどれもこれも素っ裸で、老婆もいるが、たいがいは豊満な肉体の女で、「魔」は肉体の奔放さそのものであるかのように描かれている。
Hexenlust und Sundenfall / Witches' Lust and the Fall of Man: Die Seltsamen Phantasien des Hans Baldung Grien / The Strange Fantasies of Hans Baldung Grien