静岡へ

自著『不思議で美しい石の図鑑』の印刷立ち会いで沼津へ。仕事が終わった後、夜中車で移動した。
立ち合いは翌朝からかだったが、丸二日雨降り。それまでカラカラに乾いていたのに、いきなり雨降りとは不吉な! と思いつつ、丹下健三が50年代に設計した工場に。現場に行って知ったのだが、24時間体制で稼働している工場なので、全てを見ることはできなかった。全体の約半分を見て、丸二日の立ち合いが終了。社員食堂でお昼ご飯をご馳走になる。出版社時代に学食や新聞社の食堂で何度か食べたことはあるが、工場の社員食堂は初めてだ。ボリューム満天の、味の濃い定食だった。同席した担当営業マンと編集者の早食いぶりに驚く。

三日目はそのままは帰らず、少し足を伸ばして御前崎へ。少し足を、といっても高速道路を使って2時間以上かかるので、かなりの距離だ。静岡県は広い。浜岡原発のすぐ隣の浜を散歩しつつ貝拾いをして帰る。
暖流がぶつかる御前崎近辺は、タカラガイなどの南洋系の貝が豊富にあがることで有名だ。伊豆半島の方が南に突き出しているのだが、伊豆は貝が上がる場所があまりない。
このへんはカモンダカラが多い。特別なものは見つからなかったが、比較的フレッシュなクチグロダカラを拾った。
やはりタカラガイを探していた静岡在住の方と話をし、この場所でどんなものが採れるかしばし聞かせていただいた。珍しいクロハラダカラをいただいた。クロハラが浜にあがるのはこの近辺くらいだという話。それもかなり古い、割れているものばかりなので、もしかするとかなり昔の死骸なのかもしれないという話だった。
浜岡原発近辺は突貫で津波対策工事とやらをしているようで、波消しブロックが大量に運び込まれていた。

ようやくこれで全ての工程が終了。店頭には10日くらいから並ぶ。