昨日の合同記者会見で、福島に限らず関東各地の詳細なモニタリングをすべきではないかという問いに対し、文部科学省の担当者があいかわらず「有識者と協議中です」とか答えていた。どういう「有識者」たちなのか、推して知るべしという感じだが、答弁の感じからすると当面予定はないような印象だった。学校の校庭の土壌改良に関して、5メートルほど掘り返して表土を下の土と入れ替えたらどうかという案が先日から出ているが、これに関しても、下が石の多い土地はどうすんの?という問いに返答できていなかった。5メートルというとかなりの深さだ。下が柔らかい土であるとは限らない。礫の多い所も少なくないだろう。そんなごく自然に浮かんでくる疑問に対して、いちいち答えに詰まる、検討します、ばかりで、真剣味も全く感じられない。そもそも、放射能に関しては何故文部科学省なのか。科学技術庁と一緒になったからだろうが、原子力政策は通産省、モニタリングは文科省健康被害厚労省、農作物汚染は農林水産省でそれぞれ検討しています、なんてやっているから何も進まない。

東電の保障スキームをめぐって綱引きがあるようで、枝野と東電の免責範囲を広げようという与謝野が怒鳴り合い、というような報道があった。与謝野は中曽根の秘書だったから、東電寄りなのはわかるが、原発をやめていけば「江戸時代に戻ることもできる」とか、あまりに酷い発言が多いので、何なのかと思えば、大学卒業後、中曽根の紹介で日本原子力発電に就職していたのか。「感電」ではなく、生え抜きだったわけだ。
リーマンショックは蜂に刺された程度、とか、埋蔵金なんてない、そんなこというのはデマゴギーだとか、この数年だけでもこの人の発言にはなんらリアリティーがなく、政策通だと言われる能力も疑わしい。内閣に入れたことが大間違いなんだが、少なくとも、原発問題に関して、こういうバイアスがかかった人権限を与えてほしくない。