ペルー・ボリビア旅行二日目

今日はゆっくり寝て起きるはずだったが5時起きになってしまった。
昨日回ったクスコの北の高台にあるサクサイワマン遺跡で強い雨降りにあってしまい、ほとんど見られなかったからだ。
サクサイワマンはペルー行きの主な目的のひとつだったので、「明日の朝なんとかもう一度これないかな」とひとりごちているとガイドのペドロ(仮)が、「来ましょうか?」と。見た後ホテルに戻ってその日のツアーに間に合うかな、というと、「大丈夫、5時半に出ましょう」という。なんでそんなに早く? 6時半でも余裕なのでは?というと、「遺跡が開く前に来るんですよ」。うぅむ...。

結局、自分で5時半と言ったくせに彼は5時50分に登場。遺跡に着くと来ている人が結構いる。朝のランニングやらトレーニングをしている人もちらほら。ゆるい管理だ。
俺が言い出したことではないからね。ちゃんと一度は入場券を買ったけど、見られなかったんですよ、と心の中で言いつつ入った。
やはりこれは凄い建造物だ。ここはとんでもなく大きな石が使われた、まさに巨石建造物なのだ。イメージしていたよりもはるかにスケールが大きかった。見上げるほど大きな石塊を積むだけでなく、ぴったりと組み合わせる技術の高さはすごいものがある。しかも、岩の表面は丸く整形されていて、まるで寒天のような柔らかい素材を積み重ねたような、プリプリした感じになっている。加工にどれだけの労力を要したんだろうか。


サクサイワマンは要塞のような造りになっている。標高は約3700メートルだ。ちょっとした階段を上がるのも息が切れる。
サクサイワマンは以前は自由に建造物内を歩けたが、今は立ち入り出来ないところが多い。メキシコのマヤ遺跡などもそうだが、やはり80年代くらいまでに来ておきたかった。
ペドロはついでに近くにあるケンコーという遺跡にも寄ってくれた。これも昨日見たのだが、時間がなく上からざっと見ただけだった。ケンコーは自然の大きな岩の形を活かして作った祭祀の場で、上部に階段をなどを彫った、なかなか面白い形をしている。中が一部洞窟のようになっていて、供物を捧げる祭壇もある。


無理して早起きして来てよかった。ペドロはなかなか気のいい男だが、「サクサイワマン、セクシーウーマン」という駄洒落を連発して笑いを強要されるのが面倒くさい。

この日はクスコ西方の通称「聖なる谷」に標高1000m近く一気に下り、いくつかの遺跡を見ることになっている。団体のツアーだ。グループツアーというので、せいぜいバンくらいのイメージでいたのだが、これが30人乗りのバスで、こういうものが何台も乗りつけるのだ。今はオフ・シーズンだが、それでも人で一杯だ。ハイ・シーズンにはどうなるのか恐ろしい。
この団体ツアーは効率良く回ってくれるし、一番安上がりなのだが、写真を撮りたい人には全く向かない。ラテン系の人は記念写真が大好きなのだ。自分の写真を撮ってもらうために来たのか?というほど、かわりばんこに「見どころ」の前に立つので、人がいない写真が全く撮れない。10メートルおきくらいに美人の彼女を撮っている男がいる。10メートル前とそんなに変わらないだろ....。撮りすぎてメモリがなくなったらしく、しまいにカバンからipadを取り出して撮っていた。

山の上にあるピサック遺跡とインカ時代の段々畑。こういう畑で作られたじゃがいもが世界中で食べられるようになった。

リャマとアルパカ。アルパカの肉は鳥のささ身のような脂身の無い、癖のない味。

この後インカのオリャンタイタンボ遺跡に。これも旅の目当てのひとつだった。段々畑と一体化した施設で、延々と階段を上がっていくと山の上に施設跡がある。四角く切った石塊を五つつないだ、巨大な石の壁があるのだが、記念写真を撮る人の波が絶えることなく、前から写真を撮れず。やはり朝早く来るしかないのか?