ペルー・ボリビア旅行四日目

今日も5時起きの5時半出発の予定だったが、4時に部屋を間違えてドアをドンドン叩くやつがいたため以後眠れず。山登りの日に4時間くらいしか寝れなかった。勘弁して欲しい。
マチュピチュの背後にあるワイナピチュ山は道も細く、急で、山頂も狭いので登山制限をしている。それでも毎年のように落下して亡くなる人がいるらしい。以前は早い者勝ちだったのだが、今は事前予約が必要になっている。7時から入る組を予約していた。
山登りはどうだったかというと、ものすごく急な階段(インカ道に手をいれたもの)が続く、予想以上にきついもので、途中息が切れてどうかなりそうになった。山歩きでこんなのは初めてだ。といっても、もう随分山歩きといえることなどしてないのだが。

マチュピチュが標高2300m、ワイナピチュはさらに400m高い。マチュピチュ側から見ると、山というより尖った岩のような感じである。
ヘミングウェイに脅かされて、観覧車ですら怖い私の高所恐怖症が心配だったが、過度の疲労は脳から恐怖感すら奪うということがよくわかった。ほとんど怖い思いをすることもなかったのだ。
山頂に着いた時は絶望的に疲れ、大の字になって寝たいところだったが、山頂は岩がごろごろしている、ごく狭い場所だった。絶景だった。山の裏側にある「月の神殿」も行ってみようかと思っていたが、時間が倍かかるようで、さらにきついと聞き、あっさり辞退した。
山頂には日本人の若い子がたくさんいた。気の毒に登山口から少し入った所で高山病的な症状が出てしまった子がいて、仲間が降りてくるまで一人で待っていた。

ワイナピチュ登山口で待機する人たち。入山時間を書き、降りた時にも記録するようになっている。

登山道

山頂付近からマチュピチュを見下ろす。マチュピチュの背後にあるのがマチュピチュ山。

山頂に出る直前、この穴をくぐるようになっている。胎内くぐりのような宗教的なものを感じる。インカは山岳信仰が強く、山に少女などの生け贄を安置していた。ワイナピチュにも遺跡がある。

今日は夕方の列車に乗ってオリャンタイタンボで泊まる予定だったが、昨日オリャンタイタンボ遺跡のいい写真が撮れなかったので、列車を早い時間のものに変えて、もう一度遺跡に入った。午前中でへとへとになり、バスから降りたときは両腿がつるという初体験をしたにもかかわらず、また延々と階段を上がらねばならなかった。われながらよくやると思う。


オリャンタイタンボ村は古びたいい町だ。ペルーに来て一番気に入った。娘にインコの羽を買う。この辺は石を売っている店が多いがほとんどがブラジルやインドなどの石だ。はっきりペルーの石とわかったのは、セプタリアン・ノジュールでなかなか良かったのだが、いかんせん重い。「もう少し軽いのは無いの?」と聞くも、無い、と。「たった1キロじゃん?」とか店の兄ちゃんは言うのだが、いや、ここのセプタリアンは鉄分を多く含んでいるので見た目よりもずっしり重いのだ。とても持って帰ろうという気にならない。

オリャンタイタンボは未完成の施設で、加工途中で放棄された岩が散乱している。大きな板状の岩が五つつないである。他のインカの遺跡にはあまりない様式だ。


露店のアルパカの串焼きを食べる。一本60円。旨い。ちょっと食べ過ぎ気味なので、夕食はこれでよしとした。食べた後よく見ると竹串にさしてある。近くに竹林があるんだろう。

カラフルな民俗衣装と背中に大きな荷物を背負うスタイルはグァテマラとも似ている。かなり離れているのだが。女性はたいてい帽子をかぶっているが、これが黒い丸みのある小さなものとか、白い編んだものとか、いろいろなタイプがある。部族的なものがあるんだろうか。

アクセサリー屋のにいちゃん。犬は野良犬。コロンビア同様、野良犬が多い。この犬が妙になついてくるので、「持って帰ったら?」とか言われた。

明日も5時起きだ。5時半にペドロが来ることになっているが、きっと5時50分くらいに来るに違いない。本来明日はゆっくり回る予定だったが、できれば行きたいと思っていたサイウィテの石がある町に彼が日帰りで行けるというので頼んだのだ。リマの宿に聞いたときは無理だと言われて一度諦めていた。ペドロはツアー会社ではなく、この追加の分は個人の仕事にしたいようだ。「いくらかかるの?」というと、「ガソリンだけで160ドルかかる」という。はい?乗用車で丸一日走っても1万6千円はかからないでしょ?これは下手をすると60乗せている感じだなと思ったので、彼のギャラを思い切り値切った。それでも高いが、一般的に個人ツアーを頼むとそんな感じになってしまう。それにしても、やっぱりなんだか食えない男だなと。
彼は結局、内職がばれるとまずいと思ったのか、雇い主に話したらしく、チケットを切ってきた。もしかしたら演技かもしれないが。
(後でガソリンスタンドを見たら、1ガロン15ソルとある。つまり、リッター150円くらいで、日本とさして変わらないが、ペルー人にとってはかなり高いに違いない。)