マドンナのライブの特等席の値段がオークションで50万とは。だいたいチャリティーでもないのに、主催者がチケットをオークションにかけるというのは、どういうことなんだろう。実益よりも話題作りなんだろうが、なんでもかんでもオークションでもないだろうに。そういえばディスクユニオンが自分が作った紙ジャケ用限定ボックスなどを、しばらくしてからオークションにかけているのも腹立たしい。商売としておかしい。それに数ヶ月先に復刻されるのを知っていて、慌てて高い値段で「廃盤」扱いで売ったりもしている。そして、落札した客に「おめでとうございます」とか言うんだから、なんだかよくわからない。昔、イギリスでマイナーなロックバンドやフォークバンドのLPをごく小ロットでレコード屋が作成し、後にプレミアムをつけて商売するというようなことが行われていたと聞いたことがあるが、ほとんど同じようなやり口だ。
ローリング・ストーンズのチケットも無茶に高いなあと思ったが(行ってませんが)、それでも聞けたら嬉しいという人がいるんだからしょうがないか。ファン層は確実に高年齢で可処分所得もそれなりに高いのだ。
5年くらい前まで、お台場のビルにトリビュート・トゥ・ザ・ラブ・ジェネレーションというライブハウスがあった。30代後半から40代後半くらいまでをターゲットにしたクラブで、70年代前半に活躍したイギリスのバンドなどを呼んでいた。値段はとくに高くはなかった。私もキャラヴァンとケヴィン・エアーズのライブに行ったが、ここはテーブルにソファがついたボックス席が並んでいて、演奏中も飲んだり食べたりできるような作りになっていた。さすがにこの年になるとすし詰めで立ちっぱなしというのはつらいが、ディナーショーじゃないんだから、飲んだり食べたりしながらソファに座ってロックを聞くのもなあ、と、ちょっと違和感があった。この店、すぐになくなってしまったが、こうした形式でロックのライブを聞くというのは、けっこうあるようだ。以前、私のホーム頁を見て連絡してきたアメリカ人で、坂田明が好きだという人としばらくやりとりしていたことがあるが、彼はドアーズのライブ(2人だけだけど)を、ミニ冷蔵庫付きのボックスシートで、「快適に」聞いたと言っていた。ドアーズという言葉とミニ冷蔵庫付きの快適なライブという言葉がどうにも私の頭の中で結びつきにくく、なんだそりゃ?と思ったが、あと30年もしたらドクターが待機しているようなクラブが....。and our love becomes a funeral pyreも洒落にならなくなってしまう。