連休はおとなしくしていようかと思ったが、なかなかそうもいかず、新潟の海岸に石拾いに行く。
糸魚川周辺はヒスイが採れることで有名で、ヒスイ海岸という名の浜が複数ある。青海のヒスイ海岸と糸魚川駅に近いヒスイ海岸に行ってみた。
浜にあがっている石の量は半端でない。種類も実に豊富だ。さらに、石を拾っている人の数もかつて見たこともないほど多い。竿の先に小さな杓子のようなものを付けた専用の道具を持っている人も少なくない。やはり瑪瑙とちがって、ヒスイは「宝石」なんだな、と、実感。欧米ではヒスイの評価はあまり高くないが、中国では最高級の石だ。
とはいっても浜で拾えるヒスイはそれほど美しいものでもないようだ。地元の土産物屋で見ても、よほどの「逸品」でないかぎり、白っぽくて、色彩に乏しい。むしろ、ヒスイと間違われる「キツネ石」と呼ばれるものの方が色鮮やかで、いわゆる「ヒスイ色」をしている。
これはどうかな?というものはあったが、確証はもてなかった。比重を調べるなどして、いずれ検証したい。
むしろ「姫川の薬石」と呼ばれる石が面白かった。それほど多くはないが、浜にぽつんぽつんと落ちている。ベージュ色のベースに濃い茶色で模様の入った凝灰岩のような石だ。模様はビッグス・ジャスパーやロイヤル・サハラ・ジャスパーのそれに良く似ていて、風景石の様相を呈しているものもある。二酸化マンガンが樹状に入り込んだ、日本でいう「しのぶ石」になっているものもあり、なかなか面白い。
この石は微量の放射線を出すようで、昔から薬効があると言われていたらしい。漢方薬などにも混ぜられていたようだ。というわけで、ネットを検索すると、北投石などと同様、いかにも病気に効能があるかのようにして売っている怪しげな業者が結構ある。中には石を拾ってくるアルバイトを募集しているところも。人を雇っても採算が合うわけだから、あこぎな値段で売っているに違いない。ここ数年親族を次々に癌で亡くしている者としては、効能があると信じて売っている場合はともかく、病人を相手に手っ取り早く金を稼ごうという業者は許しがたい。
この石ととても良く似た石が北米でPaiute Picture Stone (Rock)という名で売っている。私も小さな板を買ったことがあるが、やはりジャスパーほどの密度や硬度はなく、おそらく磨いても光沢は出ないだろう。