アルジェリア、タッシリ・ナジェール岩絵撮影行・その1

エミレーツ、ドバイ経由でアルジェに昼の12時過ぎに着く。イミグレーションで長蛇の列になった。入国カードがフランス語表記のみで、書き込み欄もものすごく小さい。これはビザの申請書も同じで、滞在先の住所などとても書き切れないほど欄が小さい。アルジェリア人はよほど小さな字を書くのに慣れているのか。
入国管理官は2人なのだが、列はゴチャゴチャと4-5列くらいになっていて、ちゃんと並んでいたはずなのだが、なぜかじりじりと後尾になっていき、数人後ろだった人がはるか先にいたりする。結局最後には末尾近くになっていた。「アルジェリアの空港では、日本的な礼儀正しさは忘れた方がいいよ」と、後で言われるのだが、強引に割り込まれたおぼえもなく、どうしてそうなったのかよくわからなかった。結局、イミグレーションに1時間半ほどかかってしまう。
ATMを探すが、壊れている。途中個人の両替商が何人も付いてきて、いいレートで交換してやるとさかんに言い寄ってくる。


国内線が夜の10頃発なので、空港でずっと待っているのもしんどく、どこかで休める所はないかと今回の旅の主催者であるアンドラスに相談したところ、空港に近いIbis Hotelを紹介してくれ、予約もしてくれたが、これは失敗だった。数時間の休憩でも宿泊扱いで、一万を超える金額、部屋はビジネスホテルよりも少し広い程度だ。シャワーのお湯もすぐに止まってしまった。
再び空港に戻り、待ち合わせのカフェに。主催者のアンドラスが来ていたことに驚く。

アルジェリアのビザは、指定された日本の旅行代理店を通した申請でなければ、アルジェ国内の旅行代理店から招待される方法でなければ取得できない。
今回参加するツアーはハンガリー人のアンドラスが参加者を募っているが、主催者はアルジェ国内の会社になっている。この会社がアルジェの役所に申請を出し、最後は外務省から参加者それぞれの国の領事宛てに許可の連絡が行き、そこで初めてビザの申請の手続きに入ることになる。
アルジェ国内の会社が役所に申請書を出してから、4-6週間かかって各国の領事に連絡が行くのがここ数年の通例のようだ。私も6週間ほどかかったが、何故かアンドラスには前日になってもビザがおりない。出発前におりなかった場合は地元の会社が万事心得ているから先に出発してくれと言われていた。結局、当日にビザが発行され、ぎりぎり飛行機に乗れたようだ。
参加者はハンガリー人でエジプト育ち、サハラの岩絵にとても詳しいアンドラスの他、アメリカ人のロバート(仮)、ベルギー人のヨナス(仮)、ドイツ人の女性のエレーナ(仮)と、レナータ(仮)の総勢6人。オーストラリアからもう一人女性が参加する予定だったが、彼女のビザも出発2日前に発行され、半ば諦めていた彼女はペットの世話をしてくれる人が見つけられず、参加を断念した。
私を含め、参加者は50代から60代後半といった印象だ。

国内線でタッシリ・ナジェールの入口になる地方都市Djanetへ。国内線に乗るのに、再び書類に記入してパスポートを添えて審査してもらう必要がある。Djanetに着き、驚いたのは韓国人のごく普通のツアー客が数人いたことだ。彼らは迎えの旅行会社からターバンなどを渡され、空港で「トゥアレグ風」になって出発していった。3日ほどで帰っていく感じらしい。
飛行機の遅延やら何やらで現地の旅行会社が用意した宿泊施設に着いたのは深夜3時過ぎだった。