石原慎太郎の「豪勢な世界旅行」が話題になっている。ガラパゴス島への4日がかりのクルージングに206万円かかっているとか。「あれは何?」「陸イグアナです」「んじゃ、あれは?」「海イグアナです」「ほう...」みたいな感じの映像をニュースで見た(アバウトな記憶だが)。大都市の首長なんだから、外遊にそれなりに金がかかるのは仕方ないかもしれないが、ガラパゴス島に二種類のイグアナがいるというのは、この島の生態系の象徴のような有名な話で、子供向けの本にだって書いてある。「もっと勉強してから質問しろ」とか、記者を恫喝するのが好きなんだから、あんたもイグアナがいることくらいわかってから行けよ、と思う。まるで「これは何?」「チーズです」「じゃあ、これは?」「それもチーズです....」みたいなやりとりをしていた偽カザフ人ボラットの映画みたいだ。
個人的には金のかかり過ぎる外遊よりも芸術家の息子とその友人夫妻とかに流している金の方が不快だ。国家主義者ぶるのも結構だが、ナショナリストというのは自分の家を国家レベルにまで延長することなのか。政治家人生の締めくくりとして都知事になった男の仕事が、新たに長男を政治家にし、政治と無縁だった息子まで公金で重用するすることなのか?
石原が都知事になってから、私の家の近くの清瀬小児病院を閉鎖する計画が進んできた。財政再建のための統廃合というのだが、救急対応があり、難病の子供を診る公立の専門病院は少ない。小児科の医師が激減しつつある中、この病院があるからと清瀬に移り住んできた人も多い。病気の子供に遠くの病院まで通えと言うようなやつが、オリンピックだ、イグアナだ、息子のステンドグラスだとやってるんだから、たまったもんじゃない。